合衆国で暮らす高校時代の同級生とは、誕生日にお祝いし合うことが30年近く慣例となっています。 彼は一貫して、言葉を学ぶことを訴えてくれます。 言葉を正確に理解していれば、相手に言葉が突き刺さるのだと助言をしてくれるのです。 今回は、歴史を紐解いて、メイフラワー号でオランダからアメリカ大陸に渡った ピューリタンたちのことを引き合いに出して、いかに彼らがよく言葉を学んでいたかを語ってくれました。 母語だけでなく、ラテン語、ヘブル語、ギリシャ語にも精通していたと。 原語に当たると同時に、まずは日本語だと。 「ホツマツタヱ」という漢字以前にわが国固有の文字があったとする文字を紹介してくれました。 そして、日本伝来の仏教や神道のことを突き詰めるようにと促します。 そんな時に、四十を越えた後輩から、ようやく英検一級に合格したとの知らせが入りました。 学びは学生時代で終わるものではなく、いつまでも続くものと励まされました。 また、年齢が深まってこそ、経験が伴ってこそ、言葉への理解は深まることでしょう。 人生100年時代には、言葉を深めて参りたいです。 2023年3月16日
当店が所属する商店街振興組合は、只今その目的を見直して組織を再構築しています。 また、この組合をはじめ市内にある様々な組合が加盟する中小企業団体連絡協議会という異業種交流の団体があります。 もともとは、昭和27年10月に戦後の経済危機を乗り越えるため市内中小企業者の発展に資することを目的として設立されました。 先月末に臨時総会があり、設立当初の目的を果たして役割を終えたとして発展的に解散となりました。 この解散に至るまでに、昨年来から事務局が全組合員へのヒアリングを実施。役員会での丁寧な議論。 交流の場の代替提案など。豊橋信用金庫理事長・山口進会長はじめ関わる皆さんのご尽力によって解散に至りました。 当組合も、まさに豊橋空襲の爆心であった丸物百貨店があった地区であり、そこから皆で結束するために誕生しました。 そんな先人たちの足跡を思い出す時となり、変えて行く勇気を持つことが問われました。 発展的に解散とのことで、未来を見据えて自分たちの意思で解散できたことに明日への道標を感じました。 当組合もそれを鑑として、明日につなげて参りたいです。 2023年3月3日
先月から少し体調を崩してしまい、1週間ほど静養する時間を持たせて頂きました。 寝込むと、小さなころのことを思い出します。「よっちゃん、何か食べたいものある。」 祖母が聞いてくれて「カステラ」と答えました。祖母は近所のカステラ屋さんに買いに行ってくれました。 実は、そのカステラ屋さんは、同級生のご両親が二人で切り盛りする小さなお店でした。 おじさんはいつも白帽子と白衣姿で、おばさんはとてもおっとりした方で、今でもそのお二人のことが鮮明に思い出せます。 お店は「三景」(さんけい)というお名前でしたが、今日は店を畳まれてしまいました。 今日も体調を崩すと、その三景さんのカステラが恋しくなるのです。 今思えば、当座はそれほど感じていなかったのですが、どれだけその味に助けられたことか。 この年齢になって、貴いお仕事をされていたのだなと痛切に感じています。 そんな祖母やカステラ屋さんの背後にあった愛情を思い出して、また元気になれるのでした。 愛情が込められていれば、思い出だけでも十分なのかもしれません。カステラの思い出が今なお私を支えていました。 2023年2月23日
評論家の福田恆存(つねあり)さんが学生たちに語った講義録を読んでいました。 書籍のタイトルは「人間の生き方、ものの考え方」(文春学藝ライブラリー) 言葉は道具であるから説き起こして、道具とは、単なる物ではなく、人間の心と結びついたものである。 「道具にしろ物にしろ、それはすべて心を離れては存在しない。心そのものである。 あるいは、心と物とが、物質と精神とが出会う場所である。」 私たちが販売している料理道具からも、それを感じることができました。 昨年から「フライパンは愛なんだ」というタイトルのポッドキャスト番組を開始していますが、 そのタイトル名を解説してくれているようでもありました。 道具を通じて、見えない心が立ち現れる。その心とは、他者に対する思いやりや優しさとも表現できます。 そして、その道具を使う人だけではなく、作る人、売る人にもそれぞれに想いがあります。 特に、売る人は、この道具の本来の価値をお伝えする立ち位置にあるのかもしれません。 私の手を通じて買われた皆さんとももに「フライパンは愛なんだ」を体感して参りたいです。 2023年1月31日
あけましておめでとうございます。恒例の豊橋商工会議所の年賀会が開催されました。 神野吾郎会頭が、現実を楽観視できないもののポジティブに考えて立ち向かおうと挨拶。 現実の厳しさを覚悟しようと受け取れました。 そして、会の締めに、和太鼓志多らの皆さんの演技がありました。 さながら、戦国武将の陣太鼓のようでした。 腹の底から響いてくる音響に、浮ついた雑念が取り去られて、一心不乱の心持ちに至ります。 新年への覚悟が座ったようであり、新年へ挑む心構えが整ったようでした。 和太鼓の力を思い知りましたが、どうして今まで気づけなかったのか。 豊橋技術科学大学の寺嶋一彦学長が挨拶で言われていましたが、 その会場にいつにない熱気が漂っていました。私も含めて、現実が厳しいからこそ切実な想いが醸成されていた。 「とにかく前に進もう!進むしかない!」 そんな時に和太鼓のドドンは、いよいよ心に響いてくるのだと思いました。 その場には、豊橋を先導する皆さんが結集していましたが、この皆さんが連携・変革・共創して一つとなっていく。 2023年に向けて、いざ、出陣だ! 2023年1月5日