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道具選びの眼

2013年12月10日

家庭で楽しむ和食の道具2

前回に続いて、家庭で楽しむ和食の道具をご紹介いたします。 この記事をまとめるにあたり、お料理というよりも、私たち日本人の生き方が問われているように感じて参りました。 そんな視点も交えて、新しい年を明るく迎えていただければ幸いです。

まずは、たまご焼き器です。 最近は、フライパンでたまご焼きを作る方もいるようですが、 専用のたまご焼き器があると綺麗に美味しく焼き上げることができます。 「巨人、大鵬、たまご焼き」と言われた時代もありましたが、 子供だけでなく大人も喜ぶ一品であることは、時代が変わっても変わらない印象です。 気軽に取り組める和食メニューですが、たまご焼き専門店もあるほど、奥の深いメニューでもあります。 卵は、温度に敏感に反応しますので、火の強弱によって見事に状態が違って来ます。 すなわち、火加減を通じて、料理の基本を学ぶことができます。 熱の伝わりにむらがない銅製のたまご焼き器なら万全でしょう。火加減がつかみやすいです。 最近は、職人が使う中村銅器製作所 銅たまご焼き器(上写真)を家庭で使用する方も増えて参りました。 火加減さえつかめば、お手入れも苦ではありません。 大きめのたまご焼き器で、お正月の伊達巻などに挑戦してみても良いでしょう。 たまご焼き器を見直してみて下さい。

続いて、天ぷら鍋です。 スーパーのお惣菜コーナーでよく見かけるようになった揚げ物。 家庭で揚げる方は激減しているようです。 こちらも、フライパンで代用してしまう方もいるようですが、それは本来の揚げ物ではありません。 専用の天ぷら鍋を使えば、仕上がりも格段に違って参ります。 鍋の深さも考えられていますので、食材を取り出しやすく調理は快適です。 他のお鍋を汚すことなく、かえってお手入れも楽になります。 できれば、極天ぷら鍋28pLサイズ(左写真)の大きめの方が、温度が下がりにくく、カラッと綺麗に揚がります。 少量よりも、多めに作る方がお料理は美味しくなるので、専用の天ぷら鍋で、たっぷりの油でお試し下さい。 その時に、使い終わって油を一時的に保存しておくオイルポットは必需品でしょう。 ホームピッカーのような琺瑯製でシンプルな作りのものがおすすめです。 また、太白胡麻油が使えれば万全。 電子レンジの温め直しではなく、揚げ立ての味は格段に違います。 天ぷら鍋を見直してみて下さい。

最後に、蒸し器です。 こちらも、電子レンジの普及で見かけなくなった道具の一つです。 しかし、蒸し器で蒸すと仕上がりは違います。 電子レンジの中華饅頭は、すぐに食べないと硬くなるなど、蒸し器での仕上がりとは違います。 電子レンジのサツマイモよりも、蒸し器のサツマイモは、じっくり火を通すことにより甘みが出てきます。 今回は、中尾アルミ打出料理鍋にセイロを載せたスタイル(左写真) をおすすめいたします。 ステンレス製のオブジェス蒸し器もありますが、 やはり木製のセイロは、断熱保温効果があり、しかも適度に吸水するので、本来の蒸し上がりとなります。 野菜や肉、魚介を蒸すだけで、食材そのものの味を楽しむことができます。 しかも、蒸し料理は失敗が少なく、初心者にもおすすめできます。 中尾アルミ打出料理鍋は、蒸し器だけではなく、 うどんや蕎麦などの麺類を、たっぷりのお水で茹でることができます。 加えて、お正月には、故郷自慢のお雑煮をたっぷり作るのにも適しています。 これぞ、和のお鍋という印象です。料理鍋とあわせて、蒸し器を見直してみて下さい。

和食の道具をご紹介して参りましたが、私たちの生き方が問われているようです。 高齢化社会を迎えて、現状の核家族のままで良いのか。 あまりにも個人が強くなって、みんなで集まることが少なくなり、それがお料理に反映されているように思えます。 和とは、絶妙な言葉です。 人は一人で生きていくのではなく、互いに助け合って生きていく。 「このままで良いのか、日本人」と、和食が語りかけてくれているようです。

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