第七回は「高田耕造商店」
フライパン倶楽部店長が高田耕造商店さんの魅力に迫ります!
【 故郷のシュロを慈しみ、その産業を創意工夫で継承する 】

高田さんをご紹介頂いたのが、おひつやまな板を製造する山一さんでした。
木製品を末永くご愛用頂くためには、お手入れが肝心要。それを一番よく知っているのが製造者の山一さん。
その時、木製品を傷つけず、汚れのみをおとす高田さんの棕櫚(シュロ)タワシをすすめてくれました。
また、商品だけではなく、後継ぎの高田大輔さんという人物をおすすめ頂きました。
早速、特急くろしおを乗り継ぎ、和歌山県海南市までお会いして参りました。
高田さんの工場は、田んぼに囲まれたのどかなところにありました。
そこに、職人肌の社長のお父さんとお母さん、そして奥様はじめ社員の皆さんがタワシに向き合っておられました。
お父さんは工場に大きなスピーカーを置いて音楽を楽しまれていたのが印象的でした。
工場内にも、ゆったりとした空気が流れていました。
高田さんもドラムを打たれるそうで、そんな趣味の豊かさから、タワシの枠にとらわれない
むすびのような画期的な商品が生まれて来たのだと思いました。
高田さんは、小さいころに、たわし屋と呼ばれることを好まず、料理人の道を目指します。
ところが、挫折を味わって、実家に帰ります。すると、お父さんは、その帰りを待っていた。
おばあさんも「よう戻ってきてくれた。おじいちゃんもきっと喜んでいるに違いない。」
そして、高田さんは、地元の山に入って棕櫚を育て、国産棕櫚の商品を復活させます。
先代の時代には、この棕櫚の産業が盛んで、おばあさんは「この棕櫚のおかげで、嫁に来れた。」
このような経緯より高田さんは悟ります。「棕櫚山を守ることが、自分のやるべきことだ。」
そんなお話をご本人から伺うと、4代目である自分とも重なり、高田さんとは初対面でも心がすぐに通じてしまいました。
すると、高田さんからのお声掛けで、フライパン洗いを一緒に開発することとなりました。
試作を繰り返して、さらにフッ素樹脂加工にも使えることを確認するために、検査機関で摩耗試験などを実施しました。
こちらのフライパン洗いが出来上がりました。
(おわり)