私の娘が成人式を迎えて、野田琺瑯MIMOZAを使って 赤飯を炊いてみました。 作り方は、付属されている料理研究家・辰巳芳子さんの料理本を参考といたしました。 3合の餅米と50gの小豆のレシピです。 餅米は1時間半ほど水に漬けて、鍋に入れる10分前にザルにあげます。 小豆は300tほどの水で、少し柔らかくなるまで別のお鍋で茹でて、茹で汁と小豆を分けておきます。 その茹で汁に水を加えて350tにしたら塩少々を加えて煮立てる。 そこに餅米を入れて、汁気がなくなるまで火にかけます。 最後に、その餅米と小豆を濡れ布巾に包んで、MIMOZAで蒸気を立ててから25分間蒸して出来上がり。
はじめての赤飯作りでしたが、小豆に歯ごたえがあり、とても美味しく頂けました。 また、食べることを通じて、娘の成人を家族みなで祝うことができました。 同じものを食べることで一つとなり、記憶にも残るのだと思います。 美味しい味や香りとは、見たもの聞いたもの以上に記憶に残るのでしょう。 そして、少々大目に作れば、周りの方にもお裾分けできる。 やはり、喜びは多くの皆さんと分かち合うべきもので、喜びが大きくなります。 改めて赤飯は、素晴らしい文化だと思い知りました。
調理する中で感じたことがいくつかありました。 濡れ布巾に餅米を移す時には、MIMOZAの蓋が重宝でした。 また、今回布巾は、日東紡の布巾を使用しましたが、 3合にはちょうど良かったです。 小豆は水に漬けず、餅米も1時間半ほどでしたので、比較的短時間に調理できました。 そして、赤飯は何に入れておくと良いのかと思案しました。 御裾分けには重箱、そのまま家庭で食べるには木製のものが相応しいと思いました。 そこで、長野県南木曽で製造する山一さんの 楕円の飯台を思い出しました。こちらには、別売りで本体と同じさわら材の美しい蓋も付いています。 フラットな平面ですから、その上には、何かを載せることもできます。
改めて、この楕円の形状が美しいのですが、この形状には職人の技が表れています。 今までになかった形状の飯台です。 その職人が宮下武雄さんで、昨年お会いして参りました。 こちらの自在のおひつも宮下さんの作品で、 同じ銅のねじりが使われていますので、外れることはありません。 宮下さんは、大変穏やかなお人柄でしたが、木の性質を知り尽くして、 自由な発想で物作りに熱く取り組まれていました。 料理研究家・松田美智子さんは、こちらにはサンドイッチを入れても、 寄せ鍋の具を入れるのにも相応しいとのこと。 飯台だけの用途ではなく、使い手の自由な発想を促してくれます。 また、ひのきの長しゃもじも合わせてお役立て下さい。
成人式から2日後に、90歳の知り合いの訃報が届きました。 その方は、私たちの結婚式の時に、赤飯を炊いてもって来てくれた方でした。 赤飯とともに、その方のことが偲ばれます。 改めて心のこもった道具とともに、このお赤飯文化を継承して行きたいと思いました。