フライパンに対して、深みのあるものを炒め鍋と呼んでいます。
中華鍋または北京鍋とも呼ぶこともあります。
文字通り、炒める用途でご利用いただく鍋です。
それに対して、フライパンは焼くことが主な用途と言えます。
そこで、焼くことと炒めることの用途でフライパンを使い分けていただくと良いでしょう。
焼く用途には、底面が広くて浅いフライパンが適しています。
まず、食材を置いて焼く用途のものは、目玉焼き・ハンバーグ・餃子・魚・ステーキ・ホットケーキ・お好み焼き等です。
野菜を焼くこともあるでしょう。その場合は、フライパン底面が広いと、数を多く載せることができます。
また、大方のものは裏返して焼きますので、返しがしやすいように、浅めのものが扱いやすいです。
底面が広くて浅めの形状のもの、これを一般的にフライパンと呼んでいます。
3〜4人家族を想定した一般的なサイズとしては、24pまたは26cmとなります。
炒める用途には、丸みを帯びて深みのある炒め鍋が適しています。
食材を置くことに対して、食材を動かして炒める用途のものは、野菜炒め・チャーハン・焼きそば・中華料理等です。
この場合は、具材も比較的多くなるばかりか、動かして炒めるので、深みがあると動かしやすくなります。
鍋そのものを振ることもあれば、ヘラで撹拌することもあるでしょう。
底面が狭くて深めの形状のもの、これを一般的に炒め鍋、あるいは中華鍋・北京鍋と呼んでいます。
3〜4人家族を想定した一般的なサイズとしては、28pまたは30cmとなります。
炒め鍋は、側面に熱が伝わりにくく電磁調理器には不向きです。
なお、炒め鍋は底面が狭くなるため、物によっては電磁調理器(IH)で使えないこともあります。
また、使えたとしても、ガス火のように側面にも熱が伝わることが必要ですが、
電磁調理器の場合は、底面のみを発熱させるので、底面と側面との温度差がかなり生じてしまいます。
そのため、念入りに油返しをしていただくなどの方法で解消していただきますが、
基本的に、電磁調理器では使いづらくなります。
また、炒め鍋は、深みがあることにより揚げ物にも相応しいです。
茹で物、蒸し物、煮物なども使用することも可能ですので、万能的に使える点があります。
ただ、基本的には、文字通り炒める用途としてご利用いただくのが相応しいです。
もし、フライパンを一つで済ませたい場合などは、どの程度の食材で使いたいのか。
どのような用途で使うことが多いのか。そのような視点で相応しいものを選んでみて下さい。
道具選びの眼:フライパンを選ぶ 第1回 鉄 VS フッ素樹脂加工
道具選びの眼:フライパンを選ぶ 第2回 比較実験 油なじみ
道具選びの眼:フライパンを選ぶ 第3回 極 VS レギュラー
道具選びの眼:フライパンを選ぶ 第4回 正しい使い方
道具選びの眼:フライパンを選ぶ 第5回 厚板 VS 薄板
道具選びの眼:フライパンを選ぶ 第6回 フライパン VS 炒め鍋
道具選びの眼:フライパンを選ぶ 第7回 セラミック VS フッ素樹脂
道具選びの眼:フライパンを選ぶ 第8回 サイズでの比較