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道具選びの眼

2014年6月26日

「フライパンを選ぶ」 第4回 正しい使い方

ここで原点に返ります。 フライパンを選ぶ上で重要なことは、正しい使い方、焼く仕組みを理解しておくことです。 正しく使えば、美味しく仕上がります。そのような使い方を整理します。

焼くとは、180度の調理温度で熱を通していくこと

フライパンで焼くとは、「180度の調理温度で熱を通していく」ことです。 基本的に炒めることも、揚げることも同じとなります。 調理温度がポイントなのです。これを適温とも言います。 厳密には160〜180度ですが、上限の180度を目標にすると良いでしょう。 そのため、フライパン調理では、必ず予熱が必要になるのです。 予熱とは、文字通りで、予め熱することです。 目標は、フライパン内面の一部ではなく、全体を180度にすることです。 おおよその目安としては、ガスの中火で60〜90秒でこの温度に到達します。 フライパンの大きさや厚さによっても違って来ます。

油返しでフライパン内面全体を180度にする

IH(電磁調理器)で使う場合や鉄フライパンでは、予熱時に油返しという下処理をしていただきます。 これを行うことによって、理想的な熱を食材に届けることができるのです。 予熱の後半で100cc〜200ccの油をフライパンに入れていただき、10〜20秒ほどコンロにかけて温めます。 温まった油を側面にも馴染ませながら、オイルポット等に返します。 これで焼く準備が整いました。 この時に、フライパンの内面全体が180度になっていることが理想です。 180度になったことを確認する方法は、 こちらのページを参考にしてみて下さい。そして、食材を投入します。

予熱後は弱火で、食材を観察して加熱時間を調整する

食材を入れると、瞬間的に温度は下がりますが、継続して180度で焼くことが目標です。 ですから、温まっていれば、予熱後は、中火以下で適温を保持できます。 ここで、強火にしてしまうと、高温になってしまい、焦げ付きなどを招きます。 予熱後は終始弱火を基本にすると良いでしょう。そして、加熱時間は、目と鼻で判断します。 食材をよく観察して、こんがりとキツネ色の美味しそうな焼き目が付けば完了です。 また、美味しそうな香りが漂ってきたら完了です。 なお、黒く焦げてしまったり、嫌な臭いが漂ったら加熱し過ぎで、次回への反省材料として下さい。

このように、フライパンで焼くとは、180度で熱を通していくことです。 そのために、予熱および油返しという作業が重要となります。 その後は、目と鼻をきかせて、弱火で熱を入れていくことです。 そんな視点も加味しながら、自分にとって相応しいフライパンを選んでみて下さい。

道具選びの眼:フライパンを選ぶ 第1回 鉄 VS フッ素樹脂加工
道具選びの眼:フライパンを選ぶ 第2回 比較実験 油なじみ
道具選びの眼:フライパンを選ぶ 第3回 極 VS レギュラー
道具選びの眼:フライパンを選ぶ 第4回 正しい使い方
道具選びの眼:フライパンを選ぶ 第5回 厚板 VS 薄板
道具選びの眼:フライパンを選ぶ 第6回 フライパン VS 炒め鍋
道具選びの眼:フライパンを選ぶ 第7回 セラミック VS フッ素樹脂
道具選びの眼:フライパンを選ぶ 第8回 サイズでの比較