ここで原点に返ります。
フライパンを選ぶ上で重要なことは、正しい使い方、焼く仕組みを理解しておくことです。
正しく使えば、美味しく仕上がります。そのような使い方を整理します。
焼くとは、180度の調理温度で熱を通していくこと
フライパンで焼くとは、「180度の調理温度で熱を通していく」ことです。
基本的に炒めることも、揚げることも同じとなります。
調理温度がポイントなのです。これを適温とも言います。
厳密には160〜180度ですが、上限の180度を目標にすると良いでしょう。
そのため、フライパン調理では、必ず予熱が必要になるのです。
予熱とは、文字通りで、予め熱することです。
目標は、フライパン内面の一部ではなく、全体を180度にすることです。
おおよその目安としては、ガスの中火で60〜90秒でこの温度に到達します。
フライパンの大きさや厚さによっても違って来ます。
油返しでフライパン内面全体を180度にする
IH(電磁調理器)で使う場合や鉄フライパンでは、予熱時に油返しという下処理をしていただきます。
これを行うことによって、理想的な熱を食材に届けることができるのです。
予熱の後半で100cc〜200ccの油をフライパンに入れていただき、10〜20秒ほどコンロにかけて温めます。
温まった油を側面にも馴染ませながら、オイルポット等に返します。
これで焼く準備が整いました。
この時に、フライパンの内面全体が180度になっていることが理想です。
180度になったことを確認する方法は、
こちらのページを参考にしてみて下さい。そして、食材を投入します。
予熱後は弱火で、食材を観察して加熱時間を調整する
食材を入れると、瞬間的に温度は下がりますが、継続して180度で焼くことが目標です。
ですから、温まっていれば、予熱後は、中火以下で適温を保持できます。
ここで、強火にしてしまうと、高温になってしまい、焦げ付きなどを招きます。
予熱後は終始弱火を基本にすると良いでしょう。そして、加熱時間は、目と鼻で判断します。
食材をよく観察して、こんがりとキツネ色の美味しそうな焼き目が付けば完了です。
また、美味しそうな香りが漂ってきたら完了です。
なお、黒く焦げてしまったり、嫌な臭いが漂ったら加熱し過ぎで、次回への反省材料として下さい。
このように、フライパンで焼くとは、180度で熱を通していくことです。
そのために、予熱および油返しという作業が重要となります。
その後は、目と鼻をきかせて、弱火で熱を入れていくことです。
そんな視点も加味しながら、自分にとって相応しいフライパンを選んでみて下さい。
道具選びの眼:フライパンを選ぶ 第1回 鉄 VS フッ素樹脂加工
道具選びの眼:フライパンを選ぶ 第2回 比較実験 油なじみ
道具選びの眼:フライパンを選ぶ 第3回 極 VS レギュラー
道具選びの眼:フライパンを選ぶ 第4回 正しい使い方
道具選びの眼:フライパンを選ぶ 第5回 厚板 VS 薄板
道具選びの眼:フライパンを選ぶ 第6回 フライパン VS 炒め鍋
道具選びの眼:フライパンを選ぶ 第7回 セラミック VS フッ素樹脂
道具選びの眼:フライパンを選ぶ 第8回 サイズでの比較