理想のフライパンを考える時に、一つの指標となるのが熱伝導率です。 これは、熱の伝わりやすさの指標で、この数値が高ければ、早くむらなく熱を伝えることができます。 その点で、まずおすすめできるのが銅という素材です。 詳細は、こちらの加熱講座を参考にして下さい。 それに加えて、厚板タイプになると、温度制御がしやすくなり、 銅製の厚板のものが理想に近いものとなります。
ところが、日本では銅製のお鍋は、まだ浸透していません。 そんな中でも、温度に敏感な卵を焼く道具である卵焼き器には、 中村銅器製作所の卵焼き器など銅の素材が採用されます。 また、プロ職人の世界では、銅のお鍋が多用されて、ピカピカに磨いて厨房に並んでいることがよくあります。 その点でも、料理の仕上がりにこだわりを持てれば、銅の良さが認知されていくことでしょう。
中村銅器製作所 打出フライパン24cm
また、銅製品は安全面でも問題はありませんので、安心してお役立て下さい。 昭和の時代に、銅のサビである緑青(ろくしょう)の風評が広がりました。 ところが、昭和59年に厚生省(現在の厚生労働省)が緑青を普通物に認定します。 こちらのページを参照下さい。 しかも、銅には抗菌力があるので、洗い桶や流し台バスケットにも使われています。
そこで、中村銅器製作所 打出フライパン24cmをご紹介します。 まず、銅の調理道具の内面は、スズが焼き付けてありますので、基本的には柔らかいスポンジと洗剤で汚れをとって頂きます。 このスズの焼き付けにより、銅特有の臭いが軽減されます。 焦げ付いた時は、一旦お水は張って煮立てて、焦げ付きを柔らかくしてから除去頂きます。 使用後は、油を塗布しておくとより良いです。
また、ホテルやレストランの銅鍋のように外面をピカピカにしておく必要もありません。 卵焼き器の場合ですが、磨かずに油焼けした状態をそのままにしておく方が保温力が良くなるとも言われています。 もちろん、汚れを落として水気を拭き取っていただく必要はありますが、 磨いてピカピカにしておくのは外観の問題であり、本来そこまでのお手入れの必要はありません。
このフライパンは、2.0mmの厚板タイプとなり、温度制御がしやすくなりす。 予熱後は終始弱火で良いので、省エネにもなります。 極JAPAN 厚板フライパン24cmとほぼ同じ重さとなりますが、 熱の伝わりは、極JAPANよりも良くなります。 なお、電磁調理器(IH)には使用できません。黄銅(しんしゅう)のハンドルは、熱くなりますので、 こちらのオーブンミトンをおすすめします。
職人の手作業によりスズが焼き付けられています。
さて、中村銅器製作所ならではの魅力を考えます。スズの焼き付けがメッキ処理ではなく、手作業にて行うことで スズの層が厚くなり末永く使用できます。また、日本製で安心感があります。 ひとつひとつ手打ちで打出していることも、手作りの温もりが感じられます。 万が一、スズが剥がれて使いづらくなっても、スズの焼き直し修理も可能です。その点でも末永く使用できます。