フライパンが適温になるためには、ガスの中火で1分程度との目安がありますが、フライパンの素材、厚み、サイズによって違って参ります。
そこで、赤外線を放射して、瞬時に表面温度が分かる、赤外放射温度計は大変重宝です。
鉄製フライパンであれば、表面を覆った油が、まだら模様に波打つ状態になること。
あるいは、油から煙が出ると、すでに一般的なサラダ油であれば230度以上となっていますので、煙が出る手前のタイミングでもあります。
フライパンメーカーのリバーライトでは、以下の方法をすすめています。
「フライパンの上へ、縁と同じ位の高さに手をかざしみて、焚き火にあたる位の温度。
ハッキリ熱いと感じるけれども、熱くてすぐに手を遠ざけなければ居られない程ではない状態。
もう一つの測り方は、揚げ物のころもを一滴落してみることです。
落ちたころもが鍋底につかない内に浮き上がってくる状態。または、その油の中へ竹などの菜箸の 先を入れ、菜箸の先から泡が沢山でてくる状態。」
加えて、大切なことは、フライパン表面の一部が適温になるのではなく、全体がむらなく適温になることです。
中華鍋のような深みのあるものでしたら、側面も適温になることがベストな状態です。
そこで、フライパンの下にあるコンロから受ける熱だけではなく、フライパンに油を入れて、
温まった油を全体に広げることで、フライパンの上から温める方法があります。
それが、鉄製フライパンの予熱時に下処理として行われる油返しです。
コンロ脇に置ける寸胴型ミルクポットで油返しが習慣化します。
油返しは、予熱の途中で、100〜200tの油を一旦注ぎ入れて、しばらくコンロで温めて、フライパン全体に油を馴染ませます。
その後、その油を一旦オイルポットに返します。これにより、フライパン表面を全体にむらなく温めることができるのです。
その時、綺麗な焼き目も付いて、同じ時間に熱が通ることになり、出来上がりにばらつきがありません。
この全体にむらなくは、偏らないこと、バランスをとることです。一部ではなく全体のことを配慮します。