まず、焼く調理の基本である目玉焼きを焼いてみましょう。
目玉焼きが焼ければ、ホットケーキ、ステーキ、焼き魚、餃子等その他の焼き物を美味しく焼けることに通じます。
予熱までの段取りと火加減は、これまでに語ってきたことをご参考頂き、予熱後フライパンに卵を割り入れてみて下さい。
まず、卵の白身の表面をこんがりと狐色に焼き固めます。
そして、卵の黄身である内部にも熱を通して行きます。このように表面と内部を分けて考えます。
板厚が倍あることで温度制御がしやすい極JAPAN厚板フライパン26cm
他の食材も同様に、表面はこんがりと、内部はふっくらジューシーな仕上がりが理想形です。
きちんと予熱されていれば、表面は瞬間的に焼き固まって、こびりつきません。
そして、内部は、表面から伝わってくる熱で加熱されますが、表面と同じように180度になってしまえば、中まで硬くなってしまいます。
せんべいやクッキー等のような全体が硬い仕上がりになります。
多くの場合は、内部は80度前後で、ある程度水分が残り、やわらかい状態の方が美味しいのです。
なお、80度以上になると、しだいに水分が少なくなって硬くなります。
かたや、70度以下ですと生焼け状態であり、食材によっては細菌なども残ってしまいます。
大量調理衛生管理マニュアルでは、「75度を1分以上保つこと」が取り決められています。
その結果、食材によっては、裏返して焼くことも想定しながら、内部全体が80度弱の温度になることが目標です。
加えて、ゆっくりと温める優しいイメージで熱を入れると、ふっくらと柔らかく仕上がります。
火にかけながら、卵の様子を観察して下さい。そして、ご自分の判断で火を止めます。
黄身と白身の境界線上に、うっすらと黄身が透ける膜が表れると、個人的には好みの出来上がり。
その火加減、火にかける時間によって、さまざまな表情が生まれて参ります。加えて、加熱して生じる音、香りも漂います。
それを楽しみながら、ご自分の目と耳と鼻をきかせて下さい。
また、食材に触れ、味わうことも含めて、五感を駆使して美味しさを追求してみて下さい。