台所では、どのようなまな板が置かれているでしょうか。 夏本番を迎えて、雑菌が繁殖しやすい季節となり、生の食材を扱うまな板を見直してみたいです。 そんな衛生的な視点に加えて、まな板が変わると包丁での切る作業が快適となります。 そんな視点からも、改めてまな板を見直してみたいものです。
山一さんのまな板は、パッケージに透明シートがパックされています。
まず、良いまな板とは何かを考えてみます。 それは、包丁での切る作業がしやすくなるものだと思います。 どのようなまな板が切りやすいのか。 それは、包丁との相性とも呼べばよいでしょうか。刃当たりが良いことです。 まな板が硬いと、包丁の刃を傷めます。 柔らかいと包丁の刃が入り込んで、まな板が傷んでしまう。 その点でまな板に適度な硬さがあると、弾力性も良くなり軽快に作業ができます。 やはり、その適度な硬さとは、木製が相応しいでしょう。 そして、まな板に厚みがあると、切った時の振動などを吸収して、まな板が動きません。 食材の固いもの、大きいものも切りやすくなります。 そして、まな板面が常に平面を保ち、反っていないことが重要です。 木は反る性質があるので、注意が必要となります。
板と板の合わせの技術により一枚板のようにご利用いただけて、しかもどの板も柾目の板が使われています。
木目の細かさにも注目して下さい。
そこで、今回おすすめしたいのが、先日訪問した山一さんの 木曽ひのきの接ぎ板のまな板です。 その特徴は、200年以上の樹齢のひのき材を採用していることです。 樹齢が長いことで木目が緻密となり、適度な硬さとなります。 また、ひのき材は、特有の香りとともに抗菌力があり、繁殖しやすい雑菌を防ぐため衛生的です。 しかも、柾目(まさめ)と呼ばれて、木目が平行で均一、綺麗に並んでいます。 これが理想のまな板で、包丁の刃当たりがよくなります。 かたや、一枚板のまな板でよく見かける、山なりの木目、これを板目と呼びますが、 木目間の幅が広がって均一でなくなり、包丁の刃当たりにむらが生じやすくなります。 まな板は、木目が緻密で、柾目のものが相応しいのです。 それは、一枚板ではなく、接ぎ板のものとなります。(柾目の一枚板は、稀少価値があり入手しにくいです。) しかも、それは反らないことにもつながります。 なお、接ぎ板では、山一さんの伝統の技術が潜みます。 特殊な接合により、板と板の合わせを強化してありますので、一枚板の感覚でご利用いただけます。
四万十ひのきの一枚板まな板ですが、
こちらは柾目ではなく山なりの木目、板目となっています。また、木目間も比較すると広くなっています。
そして、まな板は3pほどの厚みがあると、弾力性と安定感が増して作業がしやすくなります。 しかも、この厚みとなれば、まな板の削り直しのサービスも行いやすくなります。 山一さんでは、削り直しのサービスも 実施していますので、是非お役立て下さい。 このようなサービス、「末永くご愛用いただきたい」メーカーの想いを大切にして参りたいです。 その点で軽量の薄いまな板は、出し入れなど扱いやすい面はありますが、 弾力性と安定感に欠けたり、削り直しのサービスもしにくい等のデメリットもございます。 サイズは、大きめの方が作業はしやすくなり、空きスペースなどに一時的に食材を載せておくこともできます。 しかし、重くなるのでバランスが必要です。 1〜3人用であれば、幅36cmの「おんたけさん」、4人以上であれば「おんたけさん」と奥行きは同じ24cmで 幅が42cmとなる「ねんりん」をおすすめいたします。
周囲の縁もカンナで丁寧に仕上げられているのが分かります。
角も程よい丸みとなっています。平行・均一に真っ直ぐに伸びる柾目の木目も美しいです。
まな板を使用する時は、事前に水で濡らしていただくと良いです。 それは、食材の水分や栄養分とともに雑菌がまな板内部に吸い込まれるのを防ぐためです。 お手入れは、基本的には洗剤は使用しません。粉状のクレンザーか塩を使い、木目に沿って 亀の子束子をかけます。専用の束子があるとベストです。 このとき、お湯ではなく水を使うと、木目がしまり、汚れなどが内部に浸透しにくくなります。 束子で水洗いを基本として下さい。 水分を拭き取って、木目が垂直になるように立て掛けて(木が植わっている時と同じ状態)、 風通しをよくして自然乾燥させます。
ヤニが出る場合がありますが、木が生きている証拠です。
木目が細かくなる200年以上の高樹齢のひのきは、日本ではもはや信州木曽だけとも言われます。 その点では、稀少価値のあるまな板とも言えそうです。 まな板選びに悩んでいる方には、是非おすすめしたい昔から選ばれて来た確かなまな板です。
スマートなデザインの山一さんの焼き印