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道具選びの眼

2017年6月23日

比較研究 たまご焼き器続編

今月キャンペーンを展開しています、たまご焼き器を使い比べてみました。 改めて、道具も変わると、焼き上がりも違ってくることを楽しんでみたいです。 また、日本の売場では、「フッ素樹脂信仰」なるものがあるようで、 加工されていないと食材がこびりつくという固定観念があるようです。 その点では、フライパンの表面の加工というよりも、適切な火加減が重要となります。 その前提のもとで、加工のない鉄やステンレス等の金属の鍋肌で焼くと、 独特の風合いおよび美味しい香りも生まれてくるように感じます。 今回は、当店のキッチンにある電磁調理器(IH)で焼いてみました。
まず、極JAPANたまご焼き小で焼いてみました。 (ハンドルは旧仕様のものとなります。) 予熱時に、気持ちよく油が広がっていく、鉄板と油が一体となる感触が心地よいです。 フッ素樹脂やセラミックの加工ものは、油は、はじいて広がりません。 そして、きちんと予熱していただけば、たまごはくっつくこともありません。 仕上がりは、ふっくらとした印象がありました。焦げ目も本来の美味しそうな焦げが付いてきます。 しかも、加工が剥がれる心配もなく末永く使用できます。 標準的なたまご焼き器と言えそうです。

極JAPANたまご焼き小で卵3個

極JAPANたまご焼き小での出来上がり
続いて、ステンレス多層のジオプロダクトの玉子焼で焼いてみました。表面がステンレスでも、適切な予熱をしていただけば、くっつくことはありません。 ふっくらと仕上がり、今回の3つの中では一番おすすめできるたまご焼きとなります。 オールステンレス製ですが、火加減が適切であれば素手で扱えます。 さらに、ハンドルと向かい側の側面がヘラ等が入りやすいように傾斜があるのも巻きやすくなると感じました。 ハンドルのある手前の側面も垂直ではなく、なだらかな傾斜があることで、ヘラ等が入りやすい。 そして、極JAPANとは違って接合ビスの跡が側面にはなくフラットとなっているため、その点でもくっつきにくいです。 底面の四つ角部分も丸みを帯びさせて、汚れがたまりにくく工夫されています。 少々高額ですが、その価値を感じることができるたまご焼き器です。

極JAPANとジオプロダクトの底面の四つ角部分、 ハンドル接合ビス跡のある無しに注目して下さい。

ジオプロダクトの玉子焼で卵3個

ジオプロダクトの玉子焼での出来上がり
最後に、ナノセラファイン優のたまご焼きで焼いてみました。 こちらは、アルミ鋳物の基板にセラミックを加工したもので、 スケート場のようにツルツルと滑る表面ですので、たまごも快調に滑ります。 意図せず滑ってしまうこともあるので、制御しにくい面もあるかもしれませんが、 その点は使い慣れていただくことでしょう。 お手入れもサッと汚れを落とせる点は特徴だと思います。 また、表面のセラミックは、フッ素樹脂に比べると熱伝導性は格段によくなる一方で、 加工のないものの方が、熱は食材に気持ちよく入って行きます。 加工ものは便利ではありますが、熱を遮断する要素もあります。 仕上がりは、他の2つと比べると、ややふっくら感に欠ける印象がありました。 焼き目も凸凹はなく優しい感じです。

ナノセラファイン優のたまご焼きで卵3個

ナノセラファイン優のたまご焼きでの出来上がり
今回は3商品を比較してみましたが、鍋肌の違いによって、焼き目の感じも違ってくるのが印象的でした。 また、表面が加工されておらず、直接金属から熱を受けるタイプの極JAPANとジオプロダクトの方が、 ふっくらと適度な水分が残る仕上がりとなりました。これは焼き方にもよるかもしれません。 その道具の性格、コンロとの相性、特に熱の伝わり方を経験的につかんで、 試行錯誤を繰り返していただくことが大切です。 まずは、道具とともに、ご自分の手でたまご焼きに取り組んでみて下さい。 そこから、お料理の世界が開けて参ります。