アメリカ生まれのロッヂのスキレットが マスコミ等で話題になっていますが、同じ鋳鉄(ちゅうてつ)であれば、 日本製の南部鉄器はもっと評価されて良い品だと思います。 南部鉄器は、海外で評価が高く、灯台下暗しになっているようです。 本来、もっと日本のご家庭でご利用いただきたい逸品です。 なお、鋳鉄の素材については、こちらのページを参照下さい。

スキレットの魅力とは、調理してそのままお皿代わりとなって卓上に出せること。 コンロだけではなく、オーブンでもご利用いただけること。 そして、熱の通りにむらがなくなり、美味しく仕上がることです。 今までは、軽くて扱いやすい道具が求められていましたが、厚手の重い道具の理が見直されています。 しっかり予熱して弱火を心がけていただけば、表面を焦げ付かせずに、食材内面まで程よく熱を通します。 外側はこんがりと、内側はふっくらジューシーに焼き上がります。

そこで、柳宗理 南部鉄器ミニパンをご紹介します。 こちらは、ロッヂと比べると、鍋肌が滑らかで美しい仕上がりとなっています。 その結果、汚れも比較的落としやすい印象です。 この仕上がりの違いには、国民性を感じます。 厚みは、ロッヂとほぼ同程度ですので、調理の仕上がりに大きな違いはないでしょう。 柳宗理の特徴的な楕円形状は、油やソース等が注ぎやすいです。

ステンレス(艶消し)専用蓋を使えば、蓋をしたまま位置をずらせば、蒸気を逃すこともできます。 使いはじめは、空焼きの必要はなく、油慣らしをしていただくと良いです。 説明書によると、鍋内面に食用油を塗布して、2〜3分中火で加熱していただきます。 普段のお手入れは、亀の子タワシで汚れを洗い流していただき、その後コンロにかけて水分を飛ばしたら、 鍋肌に食用油を塗布して収納いただきます。 基本的に、錆止めの特殊焼き付け塗装が施されていますので、説明書では クレンザーや金属タワシを使用しないように記載されています。 ひどい焦げ付きの時は、鍋に水を入れて煮立てて、焦げを柔らかくしてから 取り除くと良いでしょう。

16�pサイズは、目玉焼き1個分ないし、ハンバーグ1個程度を焼く程度の大きさです。 ソーセージを焼くにも良いでしょう。 18�pサイズは、目玉焼き2個分ないし、少量の炒め物も可能で多用途に利用できます。 この黒い鍋肌が、食材を美味しく演出してくれる要素がありそうです。 それは、鋳物職人の心意気が伝わってくるゆえかもしれません。 鉄のスキレットで、朝はもちろん、秋の夜長の焼き物をお楽しみ下さい。