料理道具専門店 フライパン倶楽部

since 1970 FR CAMPANY
Instagram ご相談窓口
ホーム 会社案内 ご利用手引き 取扱ブランド カートを見る

料理道具専門店 フライパン倶楽部

MENU
0120-08-8271 10:00〜18:00 水・日・祝日定休 お問い合わせ 利用手引 取扱ブランド Instagram カートを見る
ご相談窓口 info@furaipan.com 10:00-18:30 水・日・祝日定休
ユーザーの声
→投稿する
朝のスタッフ会議
月間ベスト30
FRオリジナル商品
フライパン
炒め鍋・中華鍋
たまご焼き器
天ぷら鍋
お鍋・ケトル
圧力鍋・キッチン家電
包丁・まな板
木製品
ボウル・ザル・バット
調理小物
食器・ガラス
保存容器・弁当箱
ファブリック
お手入れ道具
入荷&欠品情報
セール品
おすすめギフト
オリジナル企画
個人情報取扱
特定商取引法表示
TAKATSU furaipan.com

代表者のエッセイ

2015年4月14日

電気炊飯器お買物の考察

高額な電気炊飯器を購入すれば、その価格に見合った美味しいご飯を楽しめるのか。 家電量販店などの販売店に相談してみる事項ではありますが、 その前に炊飯の仕組みを理解しておくと良いでしょう。 お料理と構えは同じで、適正な情報を自ら収集して、自分で考えて自分で決断する。 そこに確かなお買物があります。

まずは、炊飯の仕組みをざっくりと整理します。 詳細はこちらのページ「自分で炊飯しよう」を参照下さい。 炊飯の原則は、「98度の温度を保って、20〜30分間加熱させること」です。 この事項を理解するためには、理論と言うよりも、一度お鍋で炊飯することをおすすめします。 そこで分かることは、100度以上の高温は不要であること。 沸騰した時の温度は100度ですので、ほぼそれを保てば良いことになります。 できれば、短時間に沸騰させると良い。そして、沸騰したら98度を保つことです。 これが電気炊飯器に求められる条件になります。 具体的に、短時間に沸騰させるためには、強力な火力が必要となり、 内釜は熱伝導性の高いものが相応しいでしょう。 そして、その後の98度を保つためには、火力を調整できて、 内釜の保温性の良いものが相応しくなります。

そこで、只今の電気炊飯器市場では、マイコン式とIH式なるものが広く出回っています。 どちらもマイコンで制御していることは同じなのですが、加熱の仕組みが違っています。 マイコン式は、内釜の底部に電熱器があり、電熱器を発熱させて内釜の底部に熱を伝えます。 いわゆるシーズヒーターと同じ仕組みです。 かたや、IH式は、内釜の周囲に磁力線を発生させて、内釜そのものを発熱させます。 電磁調理器と同じ仕組みと言えますが、内釜の底面に加えて、側面も発熱させるのが特徴的です。 そのため、早く沸騰させることができます。 ただ、そこまでの早さと火力が、美味しさにどの程度影響しているのか。 炊飯量が少なければ、マイコン式でも十分と言えるかもしれません。 また、IH式は、電磁調理器と同じように、発熱箇所が偏りやすく、 温度むらが生じやすいデメリットもあります。 しかも、炊飯時の消費電力は、マイコン式と比べると、かなり高くなります。 コストとの兼ね合いも考慮する必要があるでしょう。

そして、内釜の方ですが、早く沸騰させるためには、熱伝導性が良い素材が相応しい。 その点では、金属のもの、特にアルミや銅が重宝です。 こちらの詳細は、加熱講座「調理道具と熱の関係」を 参照下さい。しかも、板厚の薄い方が、ダイレクトに熱は伝わり早く沸騰します。 ただ、薄いと温度むらは生じやすい。 続いて、相反するのですが、次の段階では、保温性が問われます。 保温性が良いと言う点では、金属よりも土鍋などの陶器が相応しくなります。 また、できるだけ板厚の厚い方が蓄熱性が良くなります。 加えて、内釜の容量が大きいほど、一旦温まれば冷めにくくなります。 まとめますと、熱伝導性と保温性の両面で優れるバランスが大切になるのです。 しかも、内釜の場合は、お手入れも想定されますので、厚くて重くても扱いづらくなります。 基本は、ガスコンロ等で炊飯するお鍋と同様で、やや厚めのアルミのものが、 軽くて扱いやすく家庭用では基本だと思います。

さて、最近では、IH圧力式なるものを見かけるようになりました。かなりの高額です。 IH式に、圧力が加わります。 こちらは圧力鍋と基本的な仕組みは同じですので、こちらの詳細は、 加熱講座「圧力鍋の実像」を参考にしてみて下さい。 圧力をかけることにより、100度以上の高温を使うことになります。 ただ、炊飯(厳密には白米炊飯)は、98度の温度ですから、もともと100度以上の温度は必要ありません。 かえって、100度以上となると、美味しさや食材を壊してしまう要素もあります。 なお、玄米のような硬いものは100度以上の高温は相応しいのですが、 白米炊飯では通常は必要ありません。 圧力鍋で白米炊飯すると、もちもちとした柔らかい仕上がりになりますが、 一般的にはそこまでの柔らかさを好む方は少ないのが実状です。 さらに、圧力をかけることで、音が出たり、蓋をしっかり密閉させますので、 蓋の開閉がしづらかったり、構造上複雑になるので、お手入れに手間がかかります。 かたや、玄米炊飯にはおすすめできるでしょう。

炊飯の仕組みを理解しないまま購入してしまうと、 金額に見合った価値を感じることができないかもしれません。 その意味では、まずは、お鍋で炊飯することを通じて、 炊飯の仕組みを理解してみると良いでしょう。 今日の電気炊飯器は、メーカーの努力により、日本が誇れる商品になっているのかもしれません。 しかし、それを使うユーザーが、お料理をスイッチ一つでできるものと錯覚してしまうことは、 思考停止に陥り、考えると言うお料理の本質からも外れてしまいます。 お買物でも然りでしょう。美味しさを機械任せ、他人任せにしない。 人間には知性と感性そして意志が与えられています。 それらを生かすことが、美味しさに、すなわち幸せに通じるのだと思います。 その意味では、まずはごはん鍋のページの お鍋で炊飯することをおすすめいたします。