まず、熱と温度の関係を整理します。 科学の世界では、この二つは明確に区別されていますので気をつけて下さい。 熱は、エネルギーと考えてみるとよいでしょう。 温度を上げる元となるものです。 その度合いを表すのが熱量で、単位には、cal(カロリー)やJ(ジュール)を使います。 1gの水を1度あげるのに必要な熱量を1calと定めています。 また、1cal(カロリー)=4.184J(ジュール)となります。 そして、温度は、人間が熱い冷たいを感じる度合を数値化したものです。
具体的には、物質を構成する分子運動の度合を表しています。 温度があるとは、分子が運動しているのです。 このため温度には下限が存在し、分子運動が止まっている状態が絶対零度。 熱力学という分野で用いられる単位では、ゼロK(ケルビン)。 かたや、日常なじみのある摂氏温度では、水が氷になる温度を0℃としていますので、 絶対零度はマイナス273℃となります。これより下の温度は存在しません。 なお、0℃は273K。1単位の目盛間隔は、Kと℃は同じです。
ここで、コンロの仕様を見ていただくと、コンロは温度ではなく熱量で表記されています。 ガスコンロの場合、強力バーナーでガス消費量3000cal/時間とあれば、 強力バーナー使用時には、1時間で3000calを消費することになります。 これが、W(ワット)で表記されていることもありますが、これはcalで換算できます。 1kcal/時間=1000cal/時間=1.16Wですから、3480Wとなります。 すなわち、W(ワット)と言う単位は、1時間当たりに換算したエネルギー量なのです。
イワタニアモルフォ・プレミアムは、2900kW(2500Kcal/h)と表示されています。
そして、電磁調理器(IH)ですと、消費電力ということで、同じくWで表記されています。 一般的に、中レベル(消費電力700〜800W)弱レベル(200〜300W)程度です。 同じ単位に揃えれば、ガスと電気で比較が可能です。 ただ、これらの熱量がそのままフライパンには伝わりません。途中でロスが生じます。 ガスコンロと電磁調理器で比べれば、電磁調理器の方がロスが少なく効率は良くなります。 さらに、その熱を受ける鍋などの調理道具によっても伝わり方が違ってきます。