お料理を美味しく作りたい。そのためには、まず加熱を学んでみて下さい。
お料理の本質は、食材に熱を入れること、加熱することとも言えます。
そのために開発製造された道具が、鍋やフライパンとなります。
ですから、加熱の仕組みが分かると、どのような鍋やフライパンを選べば良いのかが見えてきます。
また、その適切な使い方が分かり、それが美味しさにつながります。
少々難しい印象の加熱を、できるだけ易しく解説して参ります。
加熱では温度と時間が大切であり、温度計とタイマーが役立ちます。
まず、どうして加熱するのか。日本人なら、お米を考えると良いでしょう。
お米は、加熱しないと消化が悪く、栄養もほとんどありません。
水を加えて、加熱をすることによって、お米の澱粉が膨らんで粘りがでます。
この状態になって、消化しやすく栄養価も上がるのです。
すると、食べやすく美味しくなります。
さらに、加熱によって衛生的、安全になります。食材中の細菌を死滅させることができるのです。
さて、加熱するとは、食材の温度を上げることですが、そこには、ちょうど良い温度、適温があります。
しかも、加熱する時間も重要です。
食材ごとに、これらが違います。ここで、水を媒介とする調理、炊く、煮る、蒸す、茹でる、沸かす調理には、上限温度があります。
水の沸騰する温度が100度です。そのため、100度よりも温度は上がりません。
水が温度制御をしてくれるので、焦げる等の失敗は、ほぼありません。
かたや、主にフライパンを使う、焼く、炒める、揚げると言った調理は、100度を越えます。
そこで、水を媒介とする調理を湿熱(しつねつ)調理と呼ぶの対して、水を媒介としない調理を乾熱(かんねつ)調理と呼んで区別をします。
乾熱調理は、食材の表面を160〜180度の温度領域にして調理します。
この温度になると、香ばしい香りが生まれて、こんがりと綺麗な焼き目が付きます。
すなわち、食材を美味しくするために加熱をいたします。
加熱講座は2010年に18回シリーズでご紹介しましたが、今回コンパクトに読みやすくして、第1回より不定期で再度ご紹介して参ります。