長年お世話になっている町内の床屋のおばさんから銀杏(ぎんなん)をいただきました。
おばさんは、昨年ご主人をなくして、只今お店を一人でとりしきっています。
ご主人は、どちらかと言えば寡黙で、無駄な話はされずに、
かと言って場がしらける訳ではなく、気持ちよく調髪をしてくれるのです。
かたや、おばさんは、ご主人とは違い、はつらつとした爽やかな口調で、
いろんな話を聞かせてくれます。
最近では、ご主人のことを思い出しては、しみじみと語ってくれるのですが、
夫婦の情愛とは相手を失った時に、いっそう深まるもののようです。
そんなおばさんは、時に作り過ぎてしまったと、
手作りの漬物や煮物などをパックに入れてお裾分けしてくれます。
また、満州からの引き揚げの体験もお持ちで、
食材を慈しみ、もったいないというお気持ちを人一倍強くお持ちの方でもあります。
この季節は、近くの豊橋公園に、椎の実を取りに行ったりするのです。
そんなおばさんからは、調髪していただきながら、身近に美味しい食材があること、
美味しい味わい方などを教えていただけます。今回の銀杏もその一つでした。
さて、銀杏の殻をむくのに、良い道具があります。
こちらの栗くり坊主と同じメーカーの諏訪田製作所さんの銀杏坊主です。
バネがあることにより、はさんでも、余分な力が入らず、
実が傷まないように工夫されています。
銀杏の殻にある筋を、銀杏坊主のツメの筋に合わせて、ハンドルを軽く握り締めます。
パチッと音をたてて殻が割れます。
その後は、ツメの先端を利用しながら残った殻を取り除きます。
坊主姿の銀杏を見ると、道具は偉大なりと感じます。
左手で握る場合は、ツメを右側に、右手で握る場合は、ツメを左側にします。
その点では、右利き左利きに関係なくご利用いただけます。
また、収納時は付属のレンチ(工具)を差し込んでおけば、ハンドルが広がらず
収まりがよくなります。なお、このレンチでツメの開閉具合を調整できます。
小さめの銀杏ならツメの間隔を狭く、大きめなら広くします。
床屋のおばさんは、バリカンやハサミで綺麗な坊主頭に仕上げますが、
同じく栗や銀杏はこちらの道具で綺麗な坊主頭に仕上がります。
こちらの商品は、実店舗のみの販売品となります。