頑固に油が焦げ付いてしまった場合は、もはや界面活性剤でも、 アルカリ成分の強力洗剤でも落ちません。 ここまでに至らないように注意する必要もあります。 しかし、水を使わず油を使うフライパン調理では、すぐに高温状態になりますので、 うっかり焦げ付かせてしまいやすいもの。 その時は、時間をおかず、すぐに対処することが基本原則です。 上記のものの湿布法や漬け置き法で落ちる場合もあります。
それでも落ちない時は、物理的な力を加えて、磨いて落とすことです。 この方法は大変強力ですので、汚れだけではなく、フライパン等の道具も傷めやすい。 そこで、タワシ等の磨くものを見極めます。 その時、どうしたら道具を傷つけずに汚れのみを落とせるか。 それは、磨くものが、道具より柔らかく、汚れより硬いと傷つきません。 道具と汚れの間にある硬さのものが相応しい。 この時、力の入れ方にもよるので、ご注意下さい。
そこで、陶磁器、琺瑯、ガラス、ステンレスなどを傷つけにくく 汚れのみを落とせるものが、メラミン樹脂のスポンジです。 「メラミン樹脂(硬質のプラスティックの一種)を発泡させたもの。 この発泡体は微細なブラシ構造。水を含ませて汚れ等の対象物を擦ると、 ブラシが細かく断裂して汚れ等を削り落とす研磨効果があり、対象物へ与える傷も少なく汚れを取ることができます。」 微細なブラシ構造ですから、あくまでも磨いて落としているのです。 しかも、メラミン樹脂は表面の汚れを落とすと同時に、自らの身を削ってなくなっていきます。
なお、メラミン樹脂のスポンジは、フッ素樹脂にはおすすめできませんが、 ナノセラファイン優などのセラミック加工のフライパンにはお役立ていただけます。 その点で、フッ素樹脂加工のフライパンで頑固に焦げ付かせた場合には、いわゆる煮沸法を用います。 お鍋に一旦水を張って火にかけます。焦げ付きをふやかしてから、除去いただくことになります。 それでも、最近では、ナイロン不織布たわしで樹脂研磨剤を入れたものが発売されています。 同じ樹脂素材のもので傷がつきにくくなっています。ただ、通常のものより洗浄力は落ちます。
フッ素樹脂にも優しいスコッチ・ブライト多用途スポンジ(ブルーパッド使用)
そして、気持ちよく磨いて落としたい場合は、加工ものではなく、 鉄製フライパンなどの道具を選んでいただくことでもあります。 そこで、洗浄力のあるのは、通常のナイロン不織布たわしです。 具体的には、スコッチ・ブライトスポンジエースです。 加えて、ユニリーバのジフ等の 液体クレンザーを布等に含ませて磨くこともおすすめです。 ジフには、右のような説明書きがあります。「ジフに使われている研磨剤は天然成分カルサイト100%、 油汚れ、水あか、手あか、ほこりなどの頑固汚れを落としながら、 ガラスやステンレスよりも柔らかいという特性があるので、キズを付けません。」 このように硬さを見極めて、力の入れ加減を調整しつつ、油汚れを磨いて落とします。