1951年から大阪の町工場で調理器具を作り続ける藤田金属さんは、若き藤田盛一郎さんがご兄弟3人で家業を継承されていて、 意欲的にモノ作りに取り組んでおられます。また、販売姿勢も当店と共感できて、丁寧に販売されています。 そこで、今回ハンドルが着脱できる鉄フライパンJIUを使わせて頂きましたが、 ゆくゆくは当社の定番に育てて行きたいと思う使い心地でした。実店舗にも本日より並んでいますので一度触れてみて下さい。
リムプレート皿のようなフライパン本体。ウォルナットの木製ハンドルで手軽に着脱できます。
装着すると左右に遊びがありますが、手前にスライドしない限り外れない構造です。ただ、基本的に振らないで下さい。
使い初めから、油の馴染みが大変良く、軽快に調理することができました。 同じ鉄製でも、表面の加工で違いが出てくることを改めて感じました。 この加工は、ハードテンパー(焼付油ならし)と呼ぶ藤田さん独自のもので、 700度の高温で鉄板を焼き入れ、その後オリーブ油に漬けておくことで、良質な酸化被膜が形成されます。 その結果、油馴染みが格段によく、しかも錆びにくい。もちろん使い初めの空焼き作業は不要です。
ハンドルは、このように2つに分解できて、隅々までお手入れできます。
また、今日までハンドルがうまく着脱できるフライパンを探せずにいたのですが、 こちらはそのままお皿代わりにもなるおすすめできるフライパンです。その大きさ深さもお皿として相応しい。 しかも、ハンドルはよく考えられていて、着脱も手軽にできます。構造もシンプルなのですが、これが出来上がるまでに 苦労があったことが伺えます。その物語は、こちらでご覧いただけます。
フライパン裏側も汚れの溜まるところがなくお手入れしやすいです。
このように入れ子にできるので、少々の隙間もあることで取り出しやすいです。
なお、フライパン本体の縁の作りにも表れているのですが、ちょうどリムプレートのような上品なデザインにもなっています。 縁先端が下方向に出っ張りがあるのですが、全体としてシンプルな作りで、汚れが溜まるところはなく、お手入れもしやすいです。 また、3サイズありますが、3枚を入れ子にして収納できて、少し隙間もあるので、取り出しやすいです。 錆びにくいので、基本的には、タワシで磨き洗いして拭き上げて頂くお手入れで結構です。
藤田さんの魅力は、長男・盛一郎さん、次男・ 信二郎さん、三男・幸三郎さんの兄弟が力を合わせていることです。 当店も家業継承をしている点で同じですので、応援したい気持ちが自然と高まります。 この時代に家業を継承することはたやすいことではないからこそ、 その価値が余計に高まっているようにも思います。JIUとは、自由とも読めます。そこに自分らしさとともに責任を感じるのですが、 それはお料理作りに通じる精神でもあると思いました。