去る4月20日にジャパンポーレックスの社長さんと 「開発・技術」担当の2名の社員さんがご来店下さり、 1時間半ほどの商品を知る勉強会および意見交換会を持ちました。こちらを命名してポーレックスの会。 なお、「開発・技術」担当という技術の前に開発という言葉が付いているのが特徴的ですが、 「その時点で世の中に存在しないものをつくる」開発を業務ととらえていました。 参加者は、呼びかけに答えて下さったお客様5名、当社スタッフ6名を加えた計14名にて 当店2階にある会議室で行いました。作り手、売り手、使い手の3者が一同に会した場となりました。
まずは、大阪と鹿児島から駆けつけて下さったジャパンポーレックスさんの紹介から始まりました。 1978年に会社が設立されて、只今は鹿児島県霧島市に本社と自社工場を構えて、 独自の特殊な成形方法により、セラミック製の家庭用品を製造されています。 そのため「made in Japan」ではなく、「made in Kagoshima, Japan」にこだわりをもっているのです。 先ほどの開発「その時点で世の中に存在しないものをつくる」を掲げて、 製造する全ての機械装置まで自社で開発し、自社での一貫した物作りに取り組まれる。 それゆえに、他が追随できない特徴をもつ商品を生み出しています。
セラミックの独自の成形技術によって、さまざまな刃が開発されてきましたが、 その食材にあったものが、それぞれに開発されています。 胡椒、 ゴマ、 珈琲、 お茶のミルをその場で、実際に挽かせて頂きました。
研究・開発に5年以上の歳月をかけたお茶のミルは、 内部にごくごく小さな臼があるような構造です。 本来、抹茶は碾茶というお茶を直径約30cmの臼で挽きます。 その臼を、直径4cmのコンパクトなものとしました。 実際に挽いてみせてくれましたが、緑の粉が白い紙に優しく広がりました。
おろしは、 切れ味が良くて、摩耗しにくいので長切れします。 刃に少し触れて、その刃の鋭さと釉薬で焼かれた硬いところを体感できました。 長く快適におろせるのがポイントであることが分かりました。 今回は、大根をおろしてみました。刃のサイズの違いもあり、サイズによって食感の違いもありました。 「サラダとジュースの鬼おろし」の刃は ランダムに配置され、効率よくおろせるように試作を重ねたことのご苦労を伺いました。 そして、セラミック底面にシリコーンが高精度に密着されていて、滑り止めとなっていますが、この接着の技術も特徴でした。
そして、しょうゆ差しの 注ぎ口、蓋、底面の3箇所にセラミックとシリコーンが高精度に密着され一体となり、 垂れない、こぼれない、すべらない特徴が詰まった道具でした。 改めて、この部分が見事に一体化していて、見た目にも同じ素材のように感じられ、お手入れも楽になっていることが分かりました。 お客様からは、中味が見えないこと、外観の色合いなどの声がありましたが、今後の課題ともなりました。 しかし、メーカー側では、長くあきのこない、家庭での定番となるシンプルなデザインを目指していることを伺いました。 商品サイクルが早い家電品等とは違い、ずっと変わらず売られていることにも安心感を覚えました。
このたび売り手が音頭をとらせて頂き、作り手と使い手を交えた3者が集まる場は、当店の一つの夢でもありました。 皆さんのご理解とご協力によって、今回それを実現することができました。 売り手は、作り手の想いを共有して、分かりやすい言葉をもって販売すること。 使い手にも、作り手の想いを共有して頂き、商品に愛着をもち使いこなして頂くこと。 そして、作り手には、使い手と売り手の声を参考に、さらにより良い商品を作って頂くこと。 そんな理想に近づく初めの一歩の会でした。引き続き、ポーレックスの商品をよろしくお願いいたします。