餃子は、火加減すなわち温度制御が難しい調理です。それは、焼くだけではなく、蒸す過程が入ってくるからです。 蒸す時は、100度以内で温度を制御できますが、問題は蒸した後です。 水がなくなった状態で火力が強いと、比較的早い段階で適温の160〜180度を越えて高温状態となり黒焦げとなってしまいます。
蒸した後の最終段階では、適温の160〜180度で、皮をこんがりと焼き固めて行きます。 この温度でこんがりと狐色になります。 蒸して水がなくなった時点で、フライパンの表面温度が適温の160〜180度であれば、 基本的に弱火でこの温度をキープできます。ここがポイントです。 フライパンの素材や厚みにも影響されますが、一般的な鉄製フライパンであれば、 弱火でフライパンの温度はキープできます。中火は、少しづつ温度が上がっていく火力ととらえて下さい。
そこで、蒸した後の火を弱めるタイミングは、できれば、水が少し残った状態ですと、高温を防ぐことができます。 加えて、蒸す時も強火を使うよりも、中火の強あたりの方が失敗は少ないです。 水が入れば、基本的に100度以上にはならないので、手早さを求めて強火を使いがちですが、 水がなくなれば、すぐに高温になります。強火は要警戒の火力と考えて下さい。
かたや、蒸した後の、火を弱めるタイミングが早すぎたり、その後の加熱時間が短いと、 低温(160度未満の温度)となり、今度は皮が焼き固まらず、こびり付いてしまいます。 そのため、蒸した後は、弱火を基本として、やや長めに加熱することを心掛けると良いかもしれません。 蒸した後は、胡麻油を廻しかけて、少なくとも3分加熱することをおすすめします。
また、蒸す前に、こんがりと少し焼き色が付く程度に焼くと良いです。 ただ、フッ素樹脂加工フライパンでは、最初から水を入れて、いきなり蒸すことがあります。 これを鉄製フライパンで行うと、頑固にこびり付いてしまいます。 鉄製フライパンでは、まずは少し焼き色を付けてから、蒸すことをおすすめいたします。 その結果、手早く調理する点では、フッ素樹脂加工フライパンはおすすめですが、 カリッとした焼き上りは鉄製フライパンならではと思います。
このように蒸すと焼くが混在する餃子の焼き方が習得できれば、他のフライパン調理に応用ができます。 160〜180度の適温が重要であること、またそのための予熱、また予熱後の適温の維持を 餃子作りを通じて学ぶことができます。 実際に焼いた以下の動画を参考にして頂き、うまくいかなった場合の手がかりにしてみて下さい。