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美味しさの科学

2012年11月03日・2021年5月18日改訂

調味料としての酢

今回は調味料としての酢を整理してみます。 まず、塩梅(あんばい)という言葉を考えてみます。 これは、塩味と酸味(梅酢)の関係を表しています。 塩が多ければ塩辛く、梅が多ければ酸っぱくなる。 しかし、両者がうまく釣り合えば、角がとれて味が丸くなります。 それが、よい塩梅です。 そこで、塩辛い時には、酢を。酸っぱい時には、塩を加えます。

例えば、塩辛い塩鮭には、酢をかける。 味がまろやかになり、魚臭さもとれて、油っこさもとれます。 塩辛いラーメンにも、酢をかけると有効です。 中華料理であんかけの塩味が強い時にも、酢をかけると良いでしょう。 カレーでも、リンゴなどの酸味のあるものを加えることで香辛料の辛さを穏やかにすることができます。 煮物などでも、適量の酢を加えることが隠し味となります。

iwakiフタ付き醤油差しに酢を入れてコンロ脇においておくと良いでしょう。

酢はアルコールを酢酸で発酵させた液体調味料

酢とは、原料の糖質をアルコール発酵させて、次に酢酸菌を使って酢酸発酵をさせた液体調味料です。 その原料は、穀物や果実で、主成分は酢酸となります。 穀物酢とは、小麦をはじめコーンや米などを主原料としたもの。 米酢は米、リンゴ酢はリンゴ。使い分けとしては、すし飯には、米酢が合います。 また、サラダのドレッシングには、リンゴ酢が合います。

なお、米酢や穀物酢は、加熱すると蒸発しやすいですが、リンゴ酢は蒸発しにくい。 そこで、煮込む場合は、リンゴ酢を使うと、煮込んでも酸味が残ります。 また、2種類の酢を混ぜ合わせると酸味の効きがよくなります。 そして、化学的に合成した酢酸に化学調味料等を加えてつくった合成酢ではなく、 ラベル表示に醸造酢と表示のある醸造した酢の方が美味しくおすすめです。

酢はタンパク質を変性させて、くっつきを軽減する

酢はタンパク質を変性させます。これを魚焼きに生かすことができます。 魚や肉のタンパク質は、フライパンや網などの金属上では、熱により50度になると、 くっついてしまう熱凝着という反応が生じます。 そのため、フライパンに油を敷いたり、予熱して180度にして瞬間的に焼き固めたりしますが、 もう一つの方法があります。

魚焼きの網やグリルの表面にキッチンペーパー等で酢を塗っておきます。 これによって、魚のタンパク質が変性して熱凝着反応を抑えます。 その結果、魚がくっつかないので、綺麗に仕上がりますし、網のお手入れも楽となります。 なお、魚の表面の水分はよくとって、直前に塩を振りかけて、よく予熱してから焼くと万全です。

酢は香りをもち、油っこさを和らげる

加熱調理で、酢を加える順番は、「さしすせ」と言われて、砂糖(さ)塩(し)の後に加えます。 酢(す)は最後の醤油(せ)と同じく醸造品ですので香りをもっています。 この香りの成分は、加熱するとほとんど逃げてしまいます。 そのため、酢豚などの加熱する調理では、仕上げ直前に使用します。 酢は、香りを生かす調味料でもあります。

魚の生臭みも、酢やレモン汁によって消すこともでき、ムニエルやマリネも 酸味を付けるばかりか香りづけに果物の酢が利用されます。 ミツカンさんのホームページによると、酢は油っこさをマイルドにしてくれると紹介しています。 そこで、豚汁の仕上げに、チャーハンの仕上げに、酢を加えます。 酢には、油の粒子を細かく均一にする作用があるようで、それが油っこさを和らげます。

酢は不味い色合を止め、美味しい色合を発色させる

アクの強いレンコンやゴボウの色止めにも、酢は利用されます。 これらは、皮をむいて空気にさらすと褐色に変色してしまいます。 そこで、酢を加えた水に少しさらしておけば、変色しません。 これらの野菜に含まれるポリフェノールという色素が酸化すると褐色になります。 変色は酵素が作用しているのですが、この酵素の働きを酢は止めてしまうのです。

また、筆生姜やみょうが等は、酢に浸けておくと、綺麗な赤色に発色します。 これは、赤や紫のアントシアンという色素に酸が加わることによって生じます。 梅干しが赤くなるのも同じで、赤紫蘇(しそ)に梅酢が浸かることによって発色します。 赤キャベツやラディッシュも同じように、酢を使うことによって、 食欲をそそる綺麗な色に発色させることができるのです。

酢に漬け込んだマリネやピクルスなどには、イワキ耐熱保存容器が重宝です。

酢は防腐・殺菌効果があり食品保存に生かせる

酢のタンパク質を変性させる作用は、微生物にもあてはまります。 微生物はタンパク質でできているからです。 そのため、酢には防腐・殺菌効果もあります。鮮度のおちた魚は酢水で洗うと良いでしょう。 ピクルスや締めサバなど、酢浸けや酢締め等の保存食としても利用されます。 お弁当などで、すし飯が使われるのは、傷みにくくなるからです。

また、ミツカンさんのホームページでは、お弁当のおかずに、酢を少し添えるだけで傷みにくくなると紹介しています。 加えて、樹脂製まな板やスポンジの洗浄にも酢をすすめています。 なお、材質によっては、耐熱温度があるのでお気を付け下さい。 このように、酢を生かすことで、衛生的で美味しい料理を楽しめます。