ペットボトルのミネラルウォーターが避難場所に運ばれて重宝されています。 しかし、首都圏を中心に極端な「買いだめ」が起きているようです。 自分の生活を防衛する必要はありますが、行き過ぎてはいないでしょうか。 もちろん被災地のことを最優先に考えるべきです。 しかし、過度な買いだめは慎むべし。工夫しましょう。 そこで、ミネラルウォーターに関しては、水道水を見直す機会でもあると思います。 地方ではなく首都圏の水道水は、飲めないと考えている人がいるかもしれませんが、 基本的に水道水は飲料できるのです。 ミネラルウォーターと比べた場合でも、水道水の方が安全性は高いとも言えます。 それは、水道水の水質基準の方が、厳しいからです。 検査項目は五十項目もあり、それをクリアしている水質なのです。 こちらのページでも確認下さい。 それに加えて、水道局によっては、自主検査項目を加えているところもあります。 かたや、ミネラルウォーターの水質基準はどうでしょうか。 こちらの食品衛生法で設定された項目に 過ぎす、チェックもほとんどメーカーの自主管理に任されている状況です。 見た目には、パッケージなどで安全そうに見えますが、それだけで判断してはなりません。
シラルガンで沸かしてサーモスで保温するスタイル
それでも、水道水は、美味しさの面では、塩素の臭いが気になります。 塩素は、病原菌等の消毒のために入れるものです。実は、安全性の証しとも言えます。 こちらのページも参照下さい。 この塩素も摂り過ぎれば、人体に影響を及ぼしますが、 あくまで基準値以下しか使われません。 この臭いが気になるようでしたら、汲み置き法で、一晩そのまま置いておくと良いでしょう。 あるいは、煮沸しても、その臭いを飛ばすことができます。 また、発がん性があり、何かと登場する水道水中の物質に、トリハロメタンがあります。 しかし、これでさえも水道水に含まれているものは基準値以下です。 なお、この基準値とは、生涯にわたり水を飲んでも、人の健康に影響が生じない水準を基に定められています。 こちらを過度に危険視してはならないと思います。 それでも、心配でしたら、浄水器によって除去できますし、 浄水器がなくても、揮発性があるため、これもまた煮沸することによっても除去できます。 それにレモン汁などを少々加えたり、炭などを入れておけば、ミネラルウォーターにも劣らない美味しい水になることもあるでしょう。 重曹などを加えれば、弱アルカリ性の炭酸水にもなります。 加えて、しばらく水道管に停滞していた水は、金属臭も伴うこともありますので、 朝一番の水はしばらく流してしまえば良いでしょう。
このような事態に至って、ミネラルウォーターの買いだめに走ることよりも、 今ある水道水を見直して、賢く上手に使いこなすことが求められていると思います。 この機会に、水道水について、考え直してみても良いでしょう。 その時に、いかに水道局の方が苦労されているか、あるいは先人達が苦労して来たかも良く分かるはずです。 そして、川などの水資源を汚さないように環境保全に努める意義も見えてくるでしょう。 これまでのリンクページは、東京都水道局のホームページからのものです。 また、この東京都水道局では、安全だけではなく、美味しい水道水も追求しているようです。 「安全でおいしい水プロジェクト」を立ち上げています。 正しく知ると、いろんな無駄も省けます。そして、被災者の皆さんを応援して参りましょう。
追記:その後(3月23日付)、東京都の水道水に、放射性物質が検出されました。 現段階では、あくまで微量なレベルであり、万が一のための細心な対応が行政サイドで取られています。 管轄する厚生労働省の見解でも、 一時的に飲用しても健康影響が生じる可能性は極めて低いと発表しています。 極めて低いのです。ですから、代替飲用水が確保できない場合には、 放射性物質に影響されやすい乳児への摂取も差し支えないとのこと。 もちろん、小さな不安はありますが、過度に不安視する必要はありません。 加えて、この事案よりも、妊婦さんの心の状態の方が大切です。 妊婦さんが心安らかに出産できるように、周囲の心遣いや知恵が求められています。 その背後にある愛情こそ、小さいな命を守る根幹でしょう。 かたや、ミネラルウォーターが、相対的に安全だとも言い切れません。 水道水は、今回のように厳格な基準を定めて、定期的にチェックして、その情報を随時公開しています。 水道局はじめ行政サイドも、今回の事案で、小さな命を守るために必死になって取り組んでいます。 その点も見極めて、今後の推移を冷静に見守りながら、各人が適切な判断をされていくことです。 (3月24日に補足)