左メニュー

料理道具専門店 フライパン倶楽部 Since1998 Faith&Responsibility Company

ホーム 会社案内 ご利用手引き Instagram
朝のスタッフ会議
2010年12月23日

加熱講座8 本道の揚げ物

日本が世界に誇れる料理の一つが天ぷらです。 揚げたての天ぷらを海外の方に振る舞う。そんな日を夢見ています。 ところが、最近は、油を少量にしたり、蓋をしたりと、本来の揚げ方から外れていることが多いようです。 そこで、受け継がれて来た、本来の揚げ物を整理してみましょう。 まず、英語圏で使う「フライ」と言う言葉を考えます。 揚げる調理を「ディープフライ」と呼んで、頭にディープ(深い)がつきます。 それは、単なる「フライ」は、少量の油を敷いて焼くことを指しているからです。 フライパンという言葉も同列でしょう。また、目玉焼きもフライドエッグと言います。 そのため、海外で使われる「フライ」とは、少量の油を敷いて焼くことなのです。 本来の揚げ物は、「ディープフライ」。これを使い分けて下さい。

しかし、あくまで同じフライですから、美味しくなる原理は同じと言えます。 フライパン調理を美味しくするのは、温度でした。 今一度こちらのページを参照下さい。 そこで、フライパン調理を考えます。この適温とは、フライパンと接触する食材の底部のみとなります。 そのため、裏返す必要があります。 ところが、揚げる調理では、一部のみではなく、食材の表面全体をむらなく適温にすることが可能なのです。 全体を温めるオーブン調理に近いイメージです。しかも、焼く調理よりも、温度コントロールがしやすい。 そのため、上手に揚げれば、焼き物以上に、綺麗に仕上がり、良い香りが生まれてくるとも言えます。 トンカツなどは、表面はサクサクした仕上がりとなり、特有の口当たりの良さも付随して来ます。


やはり、揚げ物は、専用の天ぷら鍋が断然おすすめです。

揚げ物で重要なことも温度であり、基本的には、油の適温も180度です。 これは、温度計で計測もできますが、油から出る煙で判断する事もあるようです。 油から煙がでる温度を発煙点と呼びます。 これは、精製された油ほど高くなる。 今日の油は、精製された油が多いので、200度以上を越えることになります。 この温度になると、もはや油は痛み、調理にも相応しくありません。 昔と今では油の精製の度合いが違いますので、発煙点で判断をしない方が良いでしょう。 かえって、煙が出たら、高温になり過ぎと判断すべきです。 そこで、フライパンメーカーのリバーライト社では、野菜屑を提案しています。 野菜屑を入れて、野菜のまわりに小さな泡がプクプクと出ると130度、 野菜がクルクルと回り出すと150度、野菜の表面がキツネ色になったら180度。

私は温度計ですが、それぞれの方法で適温をつかんでみて下さい。 いろいろな方法があるようです。 そして、適温がつかめたら、いかに適温を保つかは、さらに重要です。 それは、食材を投入すると温度が下がるためです。 もちろん、食材そのものの温度が低いこともありますが、もう一つ理由があります。 食材の水分が蒸気に変わっています。 その液体から気体の変わり際に、熱が必要とされ、熱が奪われるのです。 この熱を気化熱と呼びます。すなわち、油から熱が奪われて温度が下がるのです。 特に、かき揚げやポテトチップスのような表面積の広いものは、かなり温度が下がります。 もちろん、食材の量が多いほど、油の温度は下がります。 ですから、食材を入れ過ぎてはならないのです。

さらに、適温を保つためには、どうしたら良いのか。 やはり、たっぷりの油。文字通り、ディープなのです。 油の量が多ければ、それだけ熱を保有していますので、温度が下がりにくくなる。 油が少なければ、食材全体は浸らないので、上下で温度むらも生じるでしょう。 これは、揚げ物の「ディープフライ」ではなく、単なる「フライ」なのです。 その場合は、内部に熱も通りにくいので、何度も裏返す必要がでてきたり、蓋をする方もいるようです。 中には、油はねを気にして、蓋をする方もいる。 しかし、揚げ物の本道は、蓋を使いません。どうして、蓋なしで揚げるのか。 それは、揚げ物の仕組みを理解すると分かります。 食材が油に触れたところでは、食材表面の水分が蒸発して、代わりに油が吸収されています。 これを水と油の交代現象とも呼びます。この現象が円滑に進むとカラリと揚がります。 ところが、蓋があると、この交代を妨げます。

これと同じように、いわゆる疲れた油で揚げると、多量の泡が食材の周りに生じます。 この泡が断熱材の役目をして、水分の蒸発量を抑え、吸収される油が少なくなってしまい、 ベタベタした仕上がりとなってしまいます。 その疲れた油とは、色がついて粘りがあり、揚げる際には「持続性の泡立ち」が生じます。 細かくてなかなか消えない泡が出てくる。 そのため、差し油をして使い回していくこと、新しい油に適宜交換して行くことも重要です。 そして、もう一つ大切な要素が、天ぷら鍋です。 特に、板厚が厚ければ、熱を溜めこんで、保温力が良くなり、温度が下がりにくくなります。 保温性の良い、厚くて重い鍋を使いましょう。こぼす心配も軽減されて安心感もあります。

さて、適温の基本は180度ですが、厳密には食材によって違ってきます。 大きく2つに分かれます。熱の通りやすい食材と熱の通りにくい食材とを見極めます。 まず、厚みがない熱の通りやすい食材。 これらは、180度で短時間に調理します。とてもシンプルですが、時間に十分気をつけましょう。 そして、厚みがあり熱の通りにくい食材。 これらは、食材の中心まで熱が通るのに、時間がかかります。 前回までの加熱講座で思い出し下さい。食材内部へ伝導する熱は、大変遅いのです。 そのため、時間を必要とします。 しかし、180度で時間をかけてしまうと、内部に熱が通る前に、表面が焦げてしまいます。 そのため、二段階に分けて揚げます。これが、二度揚げです。 第一段階は、150度の低温で、じっくりと時間をかけます。 これは、内部に熱を通すのが目的です。 余熱で熱が入ることと次の第二段階のことも計算に入れましょう。

第二段階は、温度を180度に上げて、短時間で揚げます。 これは、色目、表面をこんがりとキツネ色にするためです。 こうすれば、内部にも熱が通り、色目も綺麗に揚がります。 このように、食材の内部がどのような状態かを想像しながら調理します。 加熱講座の最初で学んだように、肉、魚、卵のようなタンパク質を主成分とするものは、 80度以上になると硬まりますので、熱が入り過ぎないようにします。 かたや、微生物を死滅させる目安の温度が75度です。 食材にもよりますが、内部温度75度前後で調理できれば理想とも言えそうです。 しかし、魚介類などは、もっと低い温度の方が美味しくなることがあります。 そのため、生でも食べれるような新鮮な食材を選ぶことも重要です。 食材よし、油よし、鍋よし、そして加熱よしで、本道の揚げ物を日本人として味わってみて下さい。

加熱講座の一覧へ戻る

お料理上手は幸せ上手
運営管理 エフアールカンパニー株式会社
〒440-0881 愛知県豊橋市広小路3丁目54番地1 TEL 0532-55-8278
電話受付時間 10:00〜18:00(水・日・祝日定休)

Copyright 1998-2016 ©Faith&Responsibility Company All rights reserved.