昨年6月に一冊の本が上梓されました。演劇脚本「ひとすじの糸」です。
主人公は、わが故郷で明治時代に製糸工場を立ち上げた女性経営者の小渕志ち(おぶちしち)。
南山国際中学校・高校の国語教師である馬場豊(ばばゆたか)さんの作品です。
折良く、富岡製糸場が世界遺産に登録されます。
これを機に、わが故郷では、この作品を演劇上演しようとの声が高まり、「ひとすじの会」が設立されました。
わが故郷には、PLAT(プラット)という芸術劇場も誕生しましたので、まさに時期到来となります。
「ひとすじの糸」の出版から始動しました。
この会の代表者が、当店が立地する小学校区の自治会長である宮下孫太朗(まごたろう)さんです。
宮下さんは理容師であり、誇り高き自営業者。
その昔、製糸に関わるお仕事もされていて、是非子供たちに郷土の偉人たちを伝えたいと、早速行動に移されました。
一歩踏み出されると、次々に賛同者が集まって、
中部ガスグループ相談役の神野信郎(かみののぶお)さんや豊橋市教育委員会教育長の
加藤正俊さん等が顧問に付きます。産業界および教育界の支援体制も整いました。
PLATでの上演日も来年の3月に決まりました。
演出家なども決まり、舞台出演者とボランティアも集まって、早速今月から舞台けいこも始まっています。
この会の特徴は、行政等の補助金に依存せず、市民たちの力で取り組んでいくことです。
また、来年で終わってしまうことなく、毎年継続させていくことを目指しています。
そのために設立した会となりますが、只今会員を募集しています。
個人の年会費が3000円で、只今入会されると特典として「ひとすじの糸」の書籍もいただけます。
私の両親世代の方々が主となっていますが、私も役員の一人として参加させていただいています。
年長者の経験と、若手の行動力と感性があいまって、素晴らしい舞台になることを期待しています。
そして、この会に関わって、歴史を伝えることは、伝える人がいてこそだと実感しています。
座して何もしなければ、歴史はあるものの歴史は伝わりません。
伝える意志、伝える努力があってこそ、歴史は子供たちに伝わっていく。
そのひとすじさこそ、大人たちの責任とも言えるでしょう。
平成27年卯月