わが故郷、豊橋の隣にある静岡県湖西市で豊田佐吉は誕生しました。 その当時は、同じ吉田藩の領内でもあり、 その点では同郷者とも言えるのかもしれません。 また、青春時代は豊橋で学んでいました。 やがて世界を驚かす自動織機を発明して、会社は大きく飛躍します。
さらに、トヨタ自動車が生まれて、世界一の販売台数を誇るに至りました。 そんな歴史もあり、わが故郷は、自動車産業とも密接に結びついています。 そこで、湖西市にある 豊田佐吉記念館、名古屋市のトヨタ産業技術記念館を訪れると、 世界のトヨタに至った由縁がよく理解できます。
ステッカーを車に貼って意思表示します。
この誇れる自動車産業とは裏腹に、わが故郷には、自動車に関わる恥ずかしい事実があります。 それは、交通事故死亡者がワーストワンという深刻な事態です。 愛知県は、全国でワーストワン。その県内の警察署管内では、豊橋がワーストワン。 昨年19名の方が命を落とされました。
わが故郷の人たちは、この現実にしっかりと向き合う必要があります。 また、子供を持つ大人たちの責任も問われています。 このような劣悪な交通環境を許容していることは、座して悲劇を待つにも等しい。 自動車を運転しているにも関わらず、当事者意識が希薄になっているのかもしれません。
今一度、英語の「independence」独立と訳される言葉を思い出す時です。 故郷の先人たる豊田佐吉の精神は、「independence」の精神でした。 これを直訳すると、「依存しない」他人まかせにしないということです。 自助とも表現される、自らを助ける、自らが努力して今日の産業を築いて来たのです。
そこで、わが故郷のPTAで、交通安全ステッカー運動が今月から立ち上がりました。 これは、PTAという子供たちを守る立場にある父兄たちが始めた運動です。 「スピードを守る。子供たちを守る。」と意思表示したマグネットステッカーを 自家用車に貼り付けて運転します。
ステッカーには、豊橋の地形が中央にデザイン化されて、 それをハンドルの輪で守る思いを込めています。 また、緑豊かな故郷の色であるグリーンは、信号の緑、安全の願いも込めています。 汚名を返上すべく、重い現実に立ち向かう、わが故郷です。 販売台数ではなく、交通安全でこそ世界に誇りたいものです。
平成27年如月