当店のお隣には、「ああ素晴らしかな食卓」を意味する料理教室があります。
その豊橋ワンダーテーブルを運営するのが岩本泰輔(たいすけ)さんです。
もともと東京で通信関連の会社を起業していて、今日は東京と豊橋を往復する毎日です。
やはり、故郷の豊橋に戻る時は、ほっとするとのこと。
主に豊橋の料理教室の方は、岩本さんのお母様が切り盛りしてしています。
そんな時、母親が作るお料理、そのお料理あっての岩本さんだなあと感じてしまいます。
そのお母様が「お料理は愛と勢いよ!」と口にされると、妙に納得、頷いてしまいます。
お母様は、豊かな食文化と喫茶文化のあるこの街で、以前喫茶店を開いていました。
そのため、お料理の感性も鋭いばかりか、お料理経験とその筋の人脈も豊富です。
岩本さんは冗談ながらに「母親の働き場所を提供してあげているのです。」
そんな和気あいあいとした温かな雰囲気が、この教室には漂っています。
岩本さんが「食卓を囲む」というメッセージを
こちらに掲載しています。
この文章からも、母親の情愛なるものがひしひしと伝わって参りますが、
この時代が忘れているものに気付かせてくれます。
家庭料理を「自分のために自分を良く知っている者が作ってくれた料理」と表現されていますが、
岩本さんはご自分が受けたものを、そのまま言葉にしただけなのだと思います。
食卓を囲むこと、そしてお料理を作ることは、単にお腹を満たすだけのことではないのでしょう。
食べる人は、体だけではなく、心も養われている。
そこには、「愛されている」という、根源的な魂の充足あるいは平安が宿っているのだと思います。
それが、信じること、望むこと、さらに愛することにつながって行く。
ところが、この時代は、便利なものに依存するばかりで、
いつしか、そこに生まれて深められていくはずの大切なものが置き去りにされてしまったようです。
もう一度、なぜ食卓を囲むのか。なぜお料理を作るのか。深く考えてみたいです。
ああ素晴らしきかな故郷、ああ素晴らしかな母、ああ素晴らしきかな食卓・・・
豊橋ワンダーテーブルを体験されてみてはいかがでしょうか。
平成26年水無月