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わが街・豊橋わが故郷・東三河

とよはしまちなかスロータウン映画祭 石川誠さん


 若者、よそ者、馬鹿者を巻き込む市民たち

建築家の先輩に誘われて、地元豊橋での映画祭の懇親会に参加しました。 私のような地元の商店主はじめ、企業経営者、弁護士、税理士、新聞記者、教師、公務員、学生、主婦・・・・ いろんな方が集まっていました。 その会の進行役を務めていたのが石川誠さん。 和やかな雰囲気の中で、ご馳走とともに映画を肴(さかな)に会が進行して行きます。 突然、園子温(そのしおん)さんという地元出身の映画監督も駆けつけて、みんなで記念撮影をしました。

映画祭懇親会での集合写真、左端が石川さん

かつて豊橋のまちなかには、10を越える映画館がありました。 しかし、時の流れとともに、閉館が絶えず、2001年には最後の灯であったスカラ座が消えてしまいました。 その翌年に、豊橋青年会議所の事業として、閉館となった映画館で映画祭を開催。 果たして、人は集まるのか? この映画祭を最初に呼び掛けた石川さんは、誰よりも不安な気持ちでいたことでしょう。 そして、当日を迎えます。閉館したスカラ座には、立ち見が出るほどの観客が集まります。 思わず、石川さんは、トイレに駆け込む。感極まっての男泣き。 この経験が映画祭への原点になったようです。

継続への声は大きくなり、市民有志の実行委員会が立ち上がります。 それから、2011年には10周年を迎えて、今年も11月2日(土)より開催されます。 話題の映画をはじめ、映画をこよなく愛する玄人肌の委員たちの目で選び抜かれた作品が、 1本前売券500円で観賞できます。 今年の詳細はこちらのページをご覧下さい。 まちなかの活性化事業は、単発で終わってしまうものが多い中で、10年以上継続している取り組みには 頭が下がります。 石川さんの持論である「胸ときめかせることには、放っておいても人は集まってくる」 そんな魅力がこの映画祭には秘められているのでしょう。

豊橋にはゆったりとした空気が流れている。 それはこのまちが住み易く、居心地の良い場所であることの証しでもある。 温暖な気候、豊かな自然、良質で潤沢な食材、心開けば暖かい人々・・・。 かつて商業や交通、生活、文化、娯楽の中心であった"まちなか"。 今そこに往時の賑わいは無い。 が、"まちなか"はこのまちの個性を醸成する上で欠くべからざるものである。 私たちは、そんな"まちなか"を「スロータウン」と呼ぼう。 そしてその個性を詳(つまび)らかにしていこう。(設立趣意書を抜粋)

この映画祭の設立趣旨書には、わが街の魅力もちりばめられています。 そして、この映画祭の特色は、市民主体の自立した映画祭という点。 行政の補助金には頼らず運営されています。 映画のフィルムは一本で、約20万円前後かかる。 そこで、一本の映画を一つの会社が提供する「フィルム・スポンサー」という協賛システムを採用。 その先駆けが、ヤマサちくわさんで、ヤマサ本店で撮影した小林旭の「風に逆らう流れ者」でした。 その輪はしだいに広がって行き、そうそうたる地元企業が顔を並べるに至っています。 これも石川さんはじめ関係者の皆さんの努力の賜物。

かたや、わが街には、何かを本気で取り組む人たちを支援する気風があるのだと裏づけてくれます。 家康の時代から今日のトヨタ自動車に至るまで、三河には一致団結して取り組む気風があるのです。 これぞ、わが故郷の誇り。 そして、運営を支える人たちをボランティアで募り、今年は私もお手伝いさせていただきます。 冒頭の懇親会は、新しい参加者を募る場でもあり、映画祭に取り組む仲間たちの雰囲気を伝える場でもあります。 そこに集う老若男女は、映画という文化を媒介として、一つの目標に向かって邁進して行くのです。 これから何かが起こりそうな予感が漂います。

石川さんは、商業中心ではなく、文化娯楽を媒介に市民の交流を中心とした活性化こそ、 この時代の持続可能な活動と位置付けています。 商店主としては、一抹の寂しさを感じるものの、新たな時代の指標に思えて大いに共感できます。 そんな石川さんの好きな言葉は、「若者、よそ者、馬鹿者。」 私もその一人かも。そのような人たちを巻き込む懐の広さこそ、実は石川さんの個性。 人は人にときめきます。そこに、明日の街は作られるのでしょう。

平成25年神無月