今回は、中国南通市出身で青空の家を運営する曹 穎(そうえい)さんです。
恩師の西川潤教授が、入学したばかりの曹さんの論文発表の時に、曹さんの原稿を投げ捨てたことは衝撃的でした。
しかし、「think globally act locally」(地球的視野で考えて、地域的次元で行動する)西川教授の教えを
曹さんこそ忠実に実行されていることが分かりました。
こちらより視聴できます。
曹さんが早稲田大学院に合格して、東京で住居を探していた時に、
中国人ということで居住拒否された実状は、今日も日本社会には残っているでしょう。
そのため、それを改善したいとの曹さんの熱い想いも理解できます。
それに対して、論文とは感情ではなく根拠をもとに論じなければならない。
この西川教授の厳しい指導が、曹さんの転機になったと思いました。
その西川教授のことを調べると、今日こそ必要としている教えを説いていました。
GDP(国民総生産)ではなく、より良く生きることを指標とすること。
今流行りのSDGsの思想をいち早くお持ちでした。
代表的な著作の共生主義宣言では、シンプルに表現されていました。
他者とつながり、自然を大切にし、不正と闘い、異論も尊重して、市場経済に依存せず暮らす。
また、西川教授は、自立した個人を基礎とする市民社会に期待を寄せていました。
その市民の一人が曹さんであり、そこで行われることは、革命とかイノベーションと言った大事ではなく、
目の前にある小さなことの積み重ねだと思いました。
それを気負わず自然体で、子育てをしながら取組んでいる曹さんの姿に、
私たちが忘れてしまった大切なことを教えて頂けます。