昨年2017年、百貨店卸問屋のワイヨットとウルシヤマ金属工業がともに70周年を迎えました。 ワイヨットは、家庭用品業界のリーディングカンパニーであり、最近では、メードインジャパンの商品企画を意欲的に取り組まれています。 かたや、国内自社工場で一貫生産にこだわり、メードインジャパンの誇りある物作りをされているのがウルシヤマ金属工業です。 両社が、これから先5年10年20年と長きにわたって信頼関係を深めて、100周年をともに迎えるためのプロジェクトが昨年始動しました。 それが「至ITARU」プロジェクトであり、今秋ついに新商品が誕生いたしました。
多くの小売店を束ねて市場感覚に長けたワイヨットの担当者たちによる女性目線、生活目線を重視した企画に、 ウルシヤマ金属工業の匠の技である製造技術が生かされたフライパンです。 ウルシヤマの担当者からは、何度も議論と試作を重ねてきたと伺っています。 そのプロジェクト名がそのまま商品名となり、両社の今までの経験とノウハウを総動員して、ここに至った商品とも言えるでしょうか。 そこには70周年を迎えた感謝が溢れて、明日を見据えたスタイリッシュなフライパンとなりました。 やはり生活者目線と匠の技の両方を生かしていくことが、明日への道標です。
何よりも、作り手の想いが伝わってくる丁寧な作りであり、それは、本体の艶消しの磨きに感じることができます。 そして、木製つみまの質感とフラットなガラス蓋がお似合いです。 木製ハンドルも、少々細身で女性にはつかみやすい。 本体を深型にすることで、煮たり茹でたりと万能的にも使えます。 そして、電磁調理器にも対応させています。 その点で匠の技は熱の伝わりの面で重さに、女性は軽さにこだわりを持ちますが、その議論を重ねた結果が伺えるようです。 無理難題を乗り越えて生まれてくる商品こそ本物でしょう。
フッ素樹脂がコーティングされているので、お手入れは楽になりますが、鉄製フライパンに比べると耐久性の面で不安があるかもしれません。 しかし、適正な火加減とお手入れによって、かなり長くお使いになれますが、その結果美味しく調理もできるようになります。 その点を啓蒙していくのが当店の役割でもありますが、丁寧な作り、丁寧な販売によって、寿命の長さが実現するように思います。 改めて採用された素材であるアルミ合金(鋳物)とフッ素樹脂の快適さにも気づいてもらえれば幸いです。 この両社が元気であれば、明日のわが業界は明るいです。