フライパン調理で、ご飯や麺などが、頑固にこびり付いてしまうことがあります。
それは、ご飯や麺などの澱粉質のものは、60度以上になると糊(のり)状になり粘りが出てくるためです。
また、魚や肉などのタンパク質は、鉄やステンレスの金属に対して50度以上で熱凝着(ぎょうちゃく)と呼ばれる化学反応がはじまります。
ある温度になると、タンパク質は金属とくっ付くのです。
そのため、フライパンにフッ素やセラミックをコーティングして、くっ付きを防いでいます。
かたや、コーティングのないフライパンであれば、油を媒介させることと予熱が重要となります。
予熱とは、フライパン全体を適温の180度にすることです。
この状態で、食材を投入すれば、こびり付きを越えて、表面を焼き固めてしまうことができます。
予熱の時に大切なのは、フライパン表面全体を180度にすることです。
ガスの炎などが直接あたる部分は、あたらない部分に比べると温度が高くなります。
電磁調理器(IH)でも発熱する部分は限定されています。
そのため、強火(強モード)を控えて、中火(中レベル)以下で穏やかに温めて、しかも油返しの下処理で、
フライパン表面全体を適温に近づけることができます。
食材を投入した後で、こびり付くことも考えてみます。それは、適温ではなく
フライパンが低温になっている状態。
お鍋の容量に対して食材の量が多い場合。食材が常温状態でない。
同じ食材が同じ大きさでなくむらがある。加熱しやすい食材と、加熱しにくい食材を分けて加熱していない。
そもそも、最初の予熱が甘くことが多いので、予熱をきちんと行うことが大切です。
そして、フライパンの状態を考えます。
お手入れが行き届かず、表面に汚れや焦げが付着していると、温度むらが生じてこびり付きます。
そのためお手入れが大切です。以上を整理すると、適正に予熱をして、適量の食材を適温で加熱する。
きちんと手入れされたフライパンで、焦げ付きは防げます。
こびり付いた時には、どうしてこびり付いたのを考えてみて下さい。
さらに詳細を知りたい方は、加熱講座「食用油の役割」も参照下さい。