「腸のよい人は体全体も健康である」 チェリーテラスさんの こちらのページで知った 消化器内科医の松生恒夫(まついけ つねお)さんの著書を読んでいて、 そうかもしれないなあと共感した言葉でした。 松生さんは、大腸内視鏡検査の専門医であり、三万人以上の患者さんの腸を見て来たそうです。 そして、今日、日本人の腸に異変が起きていると警鐘を鳴らしています。 最近では、自民党総裁に復帰した安倍晋三さんが、 「潰瘍性大腸炎」という腸の難病であったと公表しました。
また、厚生労働省のデーターでは、死因のトップは、悪性新生物のいわゆる癌(がん)ですが、 その中でも、大腸がんは、女性では第一位、男性でも第三位に位置しています。 松生さん曰く、「日本人の腸は、大きなストレスにさらされており、 その苦痛に悩む人は増加の一途をたどっている」 改めて、この腸について考えてみます。そこに、この時代の健康への手がかりもありそうです。
腸は、口から入って胃で消化された食物を、さらに消化して栄養を吸収するところです。 今日では点滴もありますが、基本的には腸がなければ、体に栄養を付与することはできません。 腸は、栄養を吸収する重要な役割をになっています。
あわせて、残り物で「便」をつくり排泄します。 これは、腸の蠕動(ぜんどう)運動によるもので、肛門に向かって便を運んで行き、 準備が整うと便意をもよおす信号が送られる。 そして、いきむと便が出てくる。これらのメカニズムは、人の体の不思議といいますか神秘すら感じます。 しかも、この蠕動運動は、脳と脊髄の働きにはよらず、独立して営まれている。 そのため、交通事故などで脳の機能が止まったとしても、腸は働き続けるそうです。 これをもって、腸は「第二の脳」と呼ばれることもあります。
それだけではありません。口から入って来た有害なものを排出する機能もあります。 私も体験していることですが、ナマ物などで悪いものを食べてしまうと、 すぐにお腹が下って、下痢となって出て来る。 これは、腸が有害なものと判断して、それを下痢として排出させるため、多量の液(腸液)を分泌した結果です。 さらに、腸には、免疫の役割をもつ細胞が集中していて、免疫機構として働いているとも言われます。 このように腸は、健康を維持する上で、大切な役割を担っています。
バーミックスで作るフレッシュミックスが、なぜ腸に良いのかを整理してみました。
その上で、松生さんは、日本人の腸に異変が起こっていると言われます。 その要因として、食事、ストレス、運動不足、体内リズムの乱れをあげていますが、 特に食事のことでは、「現代人の多くが、腸の健康に欠かせない食物繊維を十分に摂取できていません。」 ここで、なぜ食物繊維が腸の健康に欠かせないのかを整理してみます。 まずは、食物繊維とは何であるのか。 日本食品標準成分表によると、「ヒトの消化酵素で消化されない食品中の難消化性成分の総体」と定義されています。 人間の体に消化吸収されない成分であり、ひと昔前は「栄養のない食べ物のカス」と言われていたそうです。
ところが、この食物繊維が、便のカサを増やすとともに、腸の蠕動運動を促進する等がわかって参りました。 そこで、松生さんは、食物繊維の四つの性質である、保水性・粘性・吸着性・発酵性をあげて、その効能をまとめています。 保水性は、水を含む性質で、これにより便がやわらかくなって便のカサを増す効果がある。 粘性は、水に溶けると粘りのあるゲル状になる性質で、食物はゆっくりと移動するようになり、 血糖値や血中コレステロールを下げる効果がある。 吸着性は、食物中の有害物質を表面に吸着させることができて、便を通じて排泄できる。 発酵性は、大腸に住む良い細菌によって分解されることで、大腸の中が酸性になって、有害な細菌が住みにくくなる。
栄養のないものが、実は大きな役割を果たしていた。 腸もどちらかと言えば、あまり重要視されることのない臓器なのかもしれませんが、 よく調べてみると、いかに重要な臓器であるかも分かって参ります。 そのあたりに、本質を見失わせる盲点が潜むのかもしれません。 腸にまつわる病気が増える中で、改めて腸の役割を知り、その健康対策を講じていく必要があるでしょう。 その一つが、食物繊維の摂取です。 すると、野菜や果物を手軽に摂取できるバーミックス等の道具の価値も見えて参ります。 腸の健康を維持していくことは、明るい明日が待っています。