今年本当に残念なことは、アラジンブルーフレームです。 素晴らしい品質と歴史のある商品が乱売されてしまっています。 インターネット上では、すでに仕入価格以下で販売されている現状です。 ここまでの販売価格になるのは致命的です。 ブルーフレームが男泣きしています。 今後は、家電量販店の店頭で安売りされることになるのでしょうか。不釣合いです。 このようにして、商品はその価値を失い、やがて市場から消えてしまいます。 まだ、多くの人が価格競争を是としていますが、本当にそうでしょうか。 そして、本当にお客様のためなのでしょうか。
当社では、価格競争は志向いたしません。 それが、その場しのぎで、長い目で見て、メーカーにもお客様にも良くないと考えるからです。 もちろん、販売店でも、利益がでません。敢えて主張させていただきます。 利益がでずに商品が動くとは、どのようなことでしょうか。 一時的にはお客様を喜ばせるかもしれませんが、長くは続かないのです。 利益は、店を運営してゆく資金です。お客様からの預かりモノとも言えます。 そのいただいた利益で、お客様にサービスを還元します。 利益がでなければ、サービスの質は低下します。 お客様にきちんとしたサービスを提供したいのなら、 小売業はもっと利益の確保にシビアになるべきだと考えます。
この価格競争の波にのまれて、日本の小売業は閉塞してしまっているとも言えます。 ある大きな店が、一時的に安価で売り切って、その後は倒れて、市場から撤退してしまう。 新しいお店はできるが、すぐに閉店してしまう。インターネット上は、使い捨ての様相です。 一時的に安く売っても、続かなければ、公平な自由競争とも言えません。 そして、薄利が定着してしまった市場には、何も責任をもちません。 もはや元に戻すことができないのですが。 ですから、百貨店のようなところでも、割引販売が定着してしまう。 老舗が合併する姿を見るにつけ、百貨店の厳しい現実もよくわかります。 消費者は、安価に買えて甘い汁を吸っているようにも見えますが、 巡り巡って、そのツケは返って来ています。 ダイエーやそごうの再建に、税金が使われてしまうのです。 店が続かない。店が育たない。きちんとサービスを提供できる質の良い店は、やがて消滅してしまうでしょう。
もう一つ。 メードインジャパンがバブル時代になりを潜めたのも、この価格競争が大きな要因ではないでしょうか。 コストを優先させる価格競争のもとでは、職人は育ちません。 コストの安い海外に工場はシフトします。日本のモノづくりは廃れてしまうのです。 とにかく安ければ良い。実は、非常に安易なのです。この市場原理をもっと疑ってみましょう。 考えてみましょう。食品の問題も然りです。 その意味で当社では、販売価格にはこだわって参ります。胸を張って価格を提示して参ります。 メードインジャパンを推進する真っ当な店でありたいのです。 ひるがえって、メードインジャパンのブルーフレーム。 メーカーもこの現実を直視していただきたい。 ああ、ブルーフレームに、また日が昇りますように。