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美味しさの科学

2011年11月8日

加熱講座15 本物の出汁

日本人で良かったと思える瞬間は、香り高き味噌汁をいただく時かもしれません。 その味噌汁の美味しさは、まず出汁(だし)にあります。 そこで、今日どのように出汁をとっているのか。 多くの方が、味の素さんの「ほんだし」に代表される顆粒のうま味調味料を溶かして出汁としています。 いつのまにか子供たちも、出汁の材料である昆布、鰹節(かつおぶし)、煮干しなどを知らず、出汁=顆粒のうま味調味料を溶かした汁と思っているのかもしれません。 沸騰させて溶かすだけですから、至って簡単です。 しかし、便利なものこそ気を付けなければなりません。 本物の出汁は、味の素さんの「ほんだし」と言うよりは、 受け継がれて来た昔ながらの方法で、昆布や鰹節、あるいは煮干で煮出すことで生まれて来る出汁だと思います。 それを通じて、食材の扱い、加熱の扱い、すなわちお料理の基本を身に付ける事もできます。 今こそ、原点に返る時かもしれません。 そこで、今回は、加熱に主眼を置きながら、出汁のとり方について整理してみます。


出汁とりには、ローズ柄ストレーナーがおすすめです。

まず、昆布です。 昆布は表面に白い粉が付いていますが、これは、マンニットと呼ばれる糖類でおいしさの成分です。 水洗いしてしまうと、この成分がとれてしまいますので、 水洗いはせずに、布巾で軽く表面のほこりを落とすだけとします。 そして、昆布のうま味のもとであるグルタミン酸は、昆布を水や湯につける時間が長いほど、 また温度が高いほど、さらに加熱時間が長いほど溶け出します。 しかし、昆布からは、ぬめり、渋味、海草臭といった、出汁として好ましくない成分もあわせて溶け出します。 そのため、好ましくない成分を抑えて、いかにうま味だけを取り出すかがポイントとなります。 具体的には、常温の水に30分間浸します。水出しするのです。それ以上浸けると、粘りや臭みが出てきます。 また、30分を過ぎると、うま味の成分はあまり溶け出さない。目安は30分です。 なお、時間がない時は、水が80度になったところで、昆布をいれて、沸騰直前に取り出します。沸騰してからも浸し続けるのは、好ましくない成分が出て来てしまいます。

続いて、鰹節です。 ポイントは3つあります。 1.削り節を熱い湯に入れる。 2.入れてからは基本的に加熱しない。 3.火を止めた後、放置して削り節が沈んでから濾すか上澄みをすくう。 鰹節の場合も昆布と同様で、温度が高いほど、また時間が長いほど、出汁に溶け出す成分の量は多くなります。 そして、鰹節には、美味しさにも直結する香りが漂います。 そのため、必要以上に加熱してはなりません。 削り節を入れた後に、火を止めるのは、香りを飛ばさないためです。 なお、火を止めた後に、しばらく放置しておくのは、 鰹節のうま味成分であるイノシン酸などが溶け出すために若干時間がかかるからです。 かたや、高温の湯に長時間入れておくと、渋みや苦みを示す成分も溶け出してしまいます。 そのため、3分程度の放置が好ましく、これは、削り節が沈みきる時間とほぼ同じとなります。 最後に、底に沈んだ削り節は、たっぷりと汁を含んでいますが、これを絞ると苦みや渋みが出るため注意が必要です。

整理しますと、鰹節では、削り節を短時間熱湯に入れて出汁をとります。 ちなみに、鰹節の量は、水1Lに対して40g(4%)程度が相応しいとされています。 鰹節の量が少ないと味が薄く感じられ、多いと渋味が感じられる。 また、市販の削り節には、薄削り(厚さ0.03〜0.1mm程度)と厚削り(0.3〜1.5mm)があります。 薄削りの方が、熱湯に短時間浸けるだけで、うま味成分が速やかに溶け出します。 かたや、厚削りは、厚くなるほど、うま味成分が溶け出しにくくなり、加熱時間が長くなります。 弱火で5分程度は泳がせます。 ただ、加熱時間が長くなると、渋みや苦みも溶け出して、香りまで失われます。 ですが、渋みや苦みなどを雑味として味わう上では好ましく、 そばやうどんの汁などには、相応しいです。 用途にもよりますが、一般家庭では、短時間にとれる薄削りが相応しいとも思います。 このように、鰹節の量と種類にも気を配ります。

ここで、昆布と鰹節の混合出汁について整理します。 昆布にはグルタミン酸、鰹節にはイノシン酸がうま味成分として含まれますが、これらが混じり合うと 味の強さが飛躍的に増加すると言われています。これを味の相乗効果と呼びます。 味の素さんの「だしのもと」をはじめ、市販のうま味調味料と言われるものは、この相乗効果を利用して製造されているそうです。 これらが製造される以前から、先人は、この混合出汁に着目して、昆布と鰹節で美味しい出汁をとって来たのです。 そのとり方ですが、まずは、昆布を水に30分ほど浸しておきます。一旦昆布を取り出して火にかけます。 沸騰したら削り節を入れて、後は上記と同じ扱いとなります。 あるいは、時間のない時には、最初から昆布を水に入れて、火にかけます。 沸騰直前で、昆布を取り出して、削り節を入れて、後は上記と同じ扱いとなります。

このように、加熱を通じて、美味しさを抽出することができるのです。 しかし、加熱が過ぎてしまうと、渋みや苦みも出てきてしまうので、その加減が大切です。 出汁とりを通じて、加熱の加減を先人たちは自然に身につけて来たのだと思います。 ところが、今日は、顆粒のうま味調味料を入れるだけで、出汁としてしまう。 それは画期的なことだったのかもしれませんが、加熱の加減をはじめ、調理に関する感性が失われていると言えます。 便利にはなりましたが、自分の持ち味も失われ、お料理は退廃してしまったように感じます。 それを立て直すためには、まず、昆布と鰹節から出汁をとってみることかもしれません。 そこにこそ、工業製品のように画一化された味ではなく、個性のあるわが家の味が生まれるのだと思います。 お料理する人の舌も、あるいは食べる人の舌も研ぎ澄まされるでしょう。 味覚の覚醒、すなわち自分らしさの目覚めが生じます。 この出汁の味にこだわることこそ、香り高き味噌汁を愛する日本人だと思います。