台所は、この暗い世界に輝く小さな光です。そこには、お料理を自分の手でつくろうとする意思があります。
その意思から、やがてお料理とともに幸せがつくられます。その幸せとは、
自立した人をつくる
身近に便利なものがあふれて、自分の手を使わなくても、お腹を満たせる時代となりました。
その結果、命を支える食べることが他人任せとなり、健康を損なう事態を招いています。
本来、自分の健康は、自分で守るもの。
その自分の意思が、自分の手でお料理を作ることに表れます。
すると、自分の五感と思考が生き生きと働き出します。
その結果、自分で考えて自分で決断できるようになる。
そこに自分の味、自分らしさが生まれます。
加えて、家族をはじめ他の人に思いを寄せます。
見返りを求めず、「美味しくなれ」と祈りをこめる。
自分の手でつくるお料理は、健全な心身をもつ自立した人をつくります。
暖かな家庭をつくる
人は人と出会い結ばれて、新しい命が誕生します。
見つめる母親と微笑みかえす子供は、見えない信頼の糸で結ばれています。
そこで、母親は、食べものを惜しみなく与えます。
すると、子供は、一点の疑いもなく、ひたすら食べます。
食べることは、信じることのはじまりです。
その信頼の育まれるところが家庭です。
そこには、わが家の味・おふくろの味とも表現される、自分で作るお料理があります。
それが食卓の真ん中にあり、ともに食べることを通じて、家族のつながりは日々深まって参ります。
そして、一人ではない安心感のもとに、前を向いて行ける。
自分の手でつくるお料理は、互いに信頼し合う暖かな家庭をつくります。
明るい街をつくる
お料理のほとんどは、食材に熱を入れる作業です。
そのため、電気やガス等のエネルギーを利用します。そして、水を利用します。
加えて、鍋や包丁等の道具を利用します。
そこで、自分の手でお料理を作ることを通じて、これらが限られた尊い資源であることを自覚できます。
さらに、食材を慈しむ心も育まれます。
食材を提供してくれる農家の方、漁師さんなどの労苦に思いを馳せます。
そして、その食材が生まれてくる自然や地球環境にまで想像力を膨らませます。
「ごちそうさまでした」に込められている感謝する心が深まるとともに、未来への責任を自ら考えるようになる。
自分の手でつくるお料理は、明日に続いていく明るい街をつくります。
台所から世界は変わります。自分の手でお料理をつくる意思、自分らしい自由で主体的な生き方が広がって行けば、それは世界平和につながることでしょう。そんな台所での日々のお料理つくりを後押しして参ります。
また、店長のフライパン哲学もご参照下さい。