料理道具専門店 フライパン倶楽部

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美味しさの科学

2012年1月17日

調味料講座1 塩を生かす

聖書に「あなたがたは、地の塩です。」という表現があります。 それは、塩味の効いた、味のある人のことかと想像しました。 ところが、塩の味というよりも、腐敗を防ぐという塩の働きに注目した表現だったのです。 冷蔵庫が普及した現代では、ピンと来ないことかもしれません。 聖書の世界は、二千年前のイスラエル。当時を想定すると、そのことが理解できるのです。 この地上での腐敗、道徳をはじめ、さまざまな社会の腐敗を防ぐことを念頭においた奥深い表現だったのです。 塩の味だけに目を留めていた私でしたが、塩には防腐としての役割もあることに気づかされました。 そして、お料理に取り組んでみると、この防腐のみならず、塩にはさまざまな働きのあることも分かって来ます。 その時に、調味料という言葉を想起します。塩も、この調味料の一つです。 味を調(ととの)えると書きますが、この調えるがポイントのように思います。 味はもちろん、硬さ、色、香りなどの要素までを含めて、美味しさを調えてくれるものと言えます。 そこで、今回は、調味料としての塩について整理してみます。 お料理の要諦は、火加減、水加減、そして塩加減です。 適切に塩を使うことによって、お料理はさらに美味しくなると言えるでしょう。

 クックパルのメジャースプーンで塩の適量を見極めます。

塩は、まず使う量がポイントです。 その昔、食通の徳川家康が、そばに仕えていた女性に「この世で一番うまいものは何か?」と尋ねます。 「それは、塩です。山海の珍味も塩の味付け次第。また、一番まずいものも塩です。 どんなうまいものでも塩味が過ぎると食べられなくなります。」 家康は、この言葉に大変感銘を受けたと言われていますが、適量を教えてくれます。 そこで、人間が美味しいと感じる塩の量はいかに。 食材によって、あるいは温度などの状態によって違いはありますが、 おおむね液体で約1%の濃度の時だと言われています。 これは、血液などの体液の塩分濃度とほぼ同じとなります。海水で3%です。 なお、1%の塩分濃度とは、水1L(1000g)に対して、塩10g程度となります。 匙加減で言いますと、小匙1は、サラサラの塩で約6g、湿った塩で約5g。 水1Lに対して、小匙2杯程度の量とも言えます。 これを目安にすると良いでしょう。

それに加えて、液体の場合は、温度を考慮します。 塩味は、液体の温度が高くなるにつれて、おだやかに感じます。 また、温度が低いと塩味を強く感じます。 なお、固体に関しては、かなり濃い塩味の方が美味しく感じられます。 水分の少ない極端な例としては、塩の粒そのものを舐めるだけでも、美味しく感じられることで分かります。 そして、塩味は、酸味のある酸っぱい味に丸みを帯びさせます。 酢のものに塩を加えると、酸味が和らいで美味しくなります。 これが、塩梅(あんばい)という言葉の由来。 梅酢の酸っぱい味を塩で柔らかくするのです。 反対に、塩味を丸くするために、酢を入れます。 さらに、塩には、他の味を強める作用もあるのです。 お汁粉に塩を入れるのが、良い例です。 塩を少々入れることにより、甘みが増します。 これは味覚の対比作用と呼ばれています。 出汁に、塩を加えることも、出汁の味を強めます。

それでは、塩の働きを整理して行きます。 まず、加熱講座などでも取り上げた、魚や肉などのタンパク質を固める作用です。 魚や肉に塩を振りかけて焼くのは、単なる味付けだけではないのです。 塩分があると、表面のタンパク質が早く固まるのです。 正確には、固まる温度が低くなり、結果として早く固まることになります。 そのため、内部の汁が出にくくなるのです。 なお、塩をかけるタイミングにも注意します。 ステーキなどは、焼く直前に塩を振った方が良いでしょう。 早くから塩を振ると、内部まで塩が浸透して、内部まで固くなってしまうからです。 やはり、表面はこんがり、中はふっくらジューシーに仕上げることです。 なお、魚の表面の粘質物もタンパク質ですから、塩を振ることによって固めて処理ができます。 タコ、ナマコ、アワビなどの粘質物も同様で、塩でこすると良いのです。 そして、ゆで卵なども、塩水で茹でると良い場合があります。 殻にヒビが入って、卵白が漏れてしまう時です。 卵白もタンパク質ですから、塩水の場合すぐに固まりますので、 白身がはみ出しにくくなります。 落とし卵でも、お湯のままですと形が崩れやすいですが、塩湯にしておくときれいに固まります。

続いて、食材から水分を吸い出す作用です。 これは、理科の時間で習った浸透圧の原理によるものです。 濃度の低いところから濃度の高いところに水分は移動します。 食材の表面に塩を振れば、表面の濃度が高くなり、食材内部から水分が出てくることになります。 お正月にも食べる「なます」は、この作用で美味しくなります。 なますとは、大根とにんじんを千切りにして、酢などの調味料に浸したものです。 食材を切って、そのままお酢に浸しても、食材の中に酢は浸透しません。 かえって、内部の水分が出て来るだけで、水っぽくなる。 そこで、食材を切ったら、ザルにおいて塩を振り15分程度おいておきます。 すると、内部から水分が出てきます。これを絞ってからお酢に浸せば、よく味が染み込んで美味しくなるのです。 そして、魚の下処理にも応用できます。 カレイなどの水っぽい魚や、新鮮でない魚などは、ザルにあげて塩を振っておきます。 しばらくすると、内部から水分が出てきて身が引き締まります。 さらに、生臭みも出て来て、これを除去することもできます。 その時には、クックキングペーパーなどを利用するのも良いでしょう。 焼き魚などには、基本的には、塩を振ってすぐに焼くことがおすすめですが、 魚の状態によっては、早めに塩を振って下処理しておくことも有効なのです。

そして、塩は食材を柔らかくします。 硬くなるのを防ぐことができるとも言えます。 麺類の生地を作る時に、小麦粉を水と合わせて練ります。 この時、塩を入れると、粘りが出てくるのです。 その粘りは、グルテンというタンパク質成分なのですが、 このグルテンを形成させる上で、塩が大きな役割を果たしているのです。 また、かまぼこ等の魚肉ですり身を作る時にも、塩を入れることでまとまります。 塩が入らないと、パラパラしたそぼろのようになります。 塩には、魚肉のタンパク質を溶かして柔らかくする作用があるのです。 さらに、野菜を茹でる時にも、塩を加えることによって柔らかく仕上がります。 これは、沸騰温度が高くなるためと、細胞組織を強固にしている堅い成分が変質してしまうためです。 大豆も煮る前に、塩水に浸けておけば、タンパク質を溶かして組織を柔らかくしますので早く煮えます。 加えて、豆腐を加熱する時に、塩を加えると硬くなるのを防げます。 それは、豆腐の中の凝固剤が、豆腐のタンパク質と結合すると硬くなるのですが、 塩がその結合を阻害する役割を果たします。 そのため、湯豆腐の時は、湯の中に塩を入れておきます。 味噌汁に豆腐を入れる時も、味噌を溶かしてから豆腐を入れた方が良いでしょう。

最後に、塩は色合いを良くします。 ほうれん草や小松菜などの葉野菜を茹でる時に、塩を加えれば、緑の発色が良くなります。 これは、葉緑素が安定するからです。 なお、茹で上がったら、すぐに冷やします。 茹で時間が長かったり、茹でてからも高温の状態が続くと、 葉緑素が分解して色合いが悪くなってしまうからです。 また、リンゴの皮をむいて、そのまま置いておくと、酸化が進んでリンゴは茶褐色になります。 そこで、皮をむいたリンゴは、塩水に入れておくと良いのです。 塩が、酸化を止める役割を果たします。 リンゴをミキサーにかけてジュースにする時も、少量の塩を加えておくと、美味しい色合いを保持できます。

このように、塩には、塩味だけではなく、味を調えるさまざまな働きがあります。 まさに、調味料なのです。 いつしか、これらの塩の役割すら忘れられてしまい、お料理そのものが腐敗してしまっているようです。 その時、フライパン倶楽部は、地の塩としての役割をきちんと果たして参りたいです。 塩をきちんと理解する。お料理も必然と美味しくなります。