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お料理と健康

2012年1月7日・2012年9月24日改訂

BSE問題の教訓

昨年読んだ本の中で印象深かったのは、「牛肉安全宣言」(PHP研究所)という唐木英明(からきひであき)さんの著書です。 BSE問題に関わって来た唐木さんが、BSE問題を検証しています。 その内容は、食の安全に対しての適切な考え方を提示してくれます。 BSE問題は、狂牛病(きょうぎゅうびょう)騒動と言える事態を引き起こします。 結果としては、一人の罹患者を出すこともない病気に対して、何百億円の費用が安全対策の名のもとで泡と消えてしまいました。 さらには、米国との貿易問題は、暗礁に乗り上げます。 追い込まれて自殺に至った関係者も出てしまいます。 そこで、この問題を教訓として、今後起こって来る問題にも適切に対処できればと願います。 その教訓とは、消費者よ自立せよ!とも言えます。

狂牛病の原因は解決済みである

この問題の発端は、英国で多くの牛が原因不明の感染病にかかったことにあります。 歩行が困難になり、やがて死んでしまう。 それがBSE、すなわち牛海綿状脳症(うしかいめんじょうのうしょう)でした。 牛の脳がスポンジのようになり、狂牛病とも呼ばれます。 当初は、人間には感染しないとされていましたが、人間にもごくごく稀に感染することが分かりました。 それが、新型ヤコブ病と呼ばれる病気で、BSEと同じように脳がスポンジのようになり、 脳機能障害を引き起こして、やがて死に至ります。 そして幸いなことに、BSEの原因は、牛の体内にあった異常プリオンタンパク質だと判明します。 それは感染した牛の脳や脊髄などの「特定危険部位」に蓄積します。 これを含む肉骨粉を牛に与えると、少なからず発症してしまう。 肉骨粉とは、家畜から食肉を除いた残りの部分を加熱処理し粉末にしたもので、飼料や肥料となります。 ですから、感染した牛は、牛由来の餌を与えられていたことになります。 このような原因が分かったので、英国でも、やがて日本でも、牛用飼料として肉骨粉を混入することは禁止とされます。 ただ、この原因が分かるまでに、ある程度の時間を要したことと、 潜伏期間があったために、しばらくはBSEに感染する牛が出て来てしまいます。 しかし、今日に至っては、すでに終息しています。 そこで、唐木さんは著書のタイトルのごとく「牛肉安全宣言」を出しています。

全頭検査が実施された実状

日本国内での発端は、2001年にニューヨークの同時多発テロが発生した前後でした。 BSEに感染した牛が千葉県で見つかります。 その時点では、すでに原因も解明されていました。 感染していても、その牛の特定危険部位を除去すれば、人に感染する恐れもありません。 ところが、情報は錯綜して国内はパニックとなり、意味のない安全対策がとられることになります。 それが、牛の「全頭検査」なるものです。 例え感染しても、原因の特定危険部位さえ除去できれば良い。 これを徹底させることが、この対策の核心でもあります。 しかし、全頭、すべての食用にされる死んだ牛の脳を調べることに至るのです。 あくまで、その検査とは、安全対策そのものではなく、実態をつかむレベルのものに過ぎません。 さらには、30カ月未満の牛は、潜伏期間などがあり、感染しているかどうかを判定できない。 感染が判定できる30カ月以上の牛を対象としなければ、検査自体の意味もありません。 そのため、全頭であれば、万が一30カ月未満の牛が感染していても、感染していないことになるのです。 しかも、年間に三十億円という膨大な費用を要します。 果たして、なぜ、このような「全頭検査」が行われてしまったのか。 それは、消費者の安心のためだということでした。 しかし、これは、間違った安心でもあります。 ただ、言う人に言わせれば、間違っていようとなかろうと安心すれば、安心なのだと。 ある時点では、行政側も、この無駄な「全頭検査」の実状を理解していました。 ところが、それに反対することができなくなってしまうのです。 このような空気こそ恐ろしいものです。

専門家の意見が分かれてしまう理由

また、このBSE問題を通じて、国の食品安全委員会が設立されます。 唐木さんもその設立に関わりますが、専門家の委員の間でも意見が分かれたそうです。 今日の低量放射線の有害性に関する主張で意見が分かれることにも通じます。 どうして、専門家の意見が分かれるのか。 そうなると、消費者はますます混乱してしまいます。 その意味でも、最終的には私たち消費者一人一人が情報を集めて、自ら判断していくことが求めてられているとも言えます。 そこで、唐木さんは、その心情を吐露します。科学者には、二種類のタイプがあると。 それは、科学のための科学者、安全のための科学者。 科学のための科学者は、未知のことには、とても神経質になる。 そのため、理想論をかかげて、自分の専門のリスクだけを取り上げて、 そのリスクをゼロにしようと努力する人が多い。 分からないことは、実験を行い、答えが出るまで時間をかけて研究を進めて解明すべきだと考える。 かたや、安全のための科学者は、健康や生命に被害がないことを目標にして、 できる限りリスクを減らすという現実論で動いている。 そして、期限内に一定の回答を出すことが求められる。 時には、過去のデーターが不足して、全く予測できないこともある。 そんな時でも、科学の常識と確率論を用いて回答を出していく。 科学のための科学者からすると、実証することが基本であり、確率論を許容することができない。 この見解は、両方の立場に長年身を置いた唐木さんのつぶやきにも聞こえますが、 専門家の間でも単に対立するのではなく、同じ目標を定めて、粘り強く話し合いを積み重ねていただきたいと思います。

ゼロリスクを求めることは現実的なのか

そして、消費者も目の前の問題だけではなく、広い視野を持って全体のことを考慮することも必要です。 往々にして消費者は、ゼロリスクを求めがちです。 もちろん、食品の安全に関しては、命に直結していますので、ゼロリスクを求める事も理解はできます。 それでも、ゼロリスクを求める事は、あくまで理想であって現実的なものではありません。 よく自動車事故が引きあいに出されます。 交通事故死亡者をゼロにするためには、すなわちゼロリスクを求めるなら、自動車を全面禁止にすることに至るでしょう。 しかし、リスクがあっても、それにまさる便益があると社会一般で評価されているので、 自動車はなくなりません。それが、私たちの現実の社会です。 特に、日本人は、平和ボケとよく言われますが、戦争や平和に対してもそうですが、 複雑怪奇な世界の現実を知らない、あるいは考えようとしない傾向が強いと感じます。 ゼロリスクを求めることは、責任のない戦争反対と同じように、そこで思考停止してしまっているようにも思えます。 それは一見正しいように見えますが、そこに今回の問題を生み出してしまった根があるようにも思えるのです。 現実的には、いかにリスクと折り合っていくかを考えることが求められているのです。

局部だけではなく全体をみる目をもつ

私たちは、ひとりではなく、みんなで助け合う社会に生きています。 社会で生きている以上は、みんなのことを、すなわち全体を考えなければなりません。 今日の日本社会では、いつしか個人が強くなり過ぎて、みんなのためという 「公」(おおやけ)の精神が希薄になっています。 あるリスクを減らせば、別のリスクが生まれてしまいます。 これをリスクのトレードオフと呼んでいます。 水道水でもそうですが、塩素消毒にリスクがあるということで、塩素消毒を減らします。 結果として、塩素処理によって生成される発癌性物質のトリハロメタンが減らせます。 ところが、今度は細菌が繁殖してしまい、かえって食中毒を起こしかねない状況が生まれます。 農薬でも食品添加物でも同じようなことが言えるでしょう。 そこだけに目を留めるのではなく、それによって他の何かが不都合になってしまうことにも目を留める。 局部だけではなく全体のことにも思いを寄せて、折り合いをつけていく必要があるのです。 そこには、立場や状況によって、各人の利害の違いが出てくるでしょう。 そのためにこそ、みんなとの話し合いが必要なのです。

話し合いができるためには、事前に内容を勉強する必要があります。 自分の考えを整理して、相手に分かりやすく伝える事も求められます。 そして、何よりも、その相手との信頼関係が大切です。 そのためには、相手を思いやること、時には忍耐して粘り強く理解を求める強い意志も必要です。 かたや、相手の主張に耳を傾けて、その主張を理解する力も求められるでしょう。 それができることを、より広い意味での自立と表現できるように思います。 その時、各人が勉強を怠り、何も主張せず人任せになり、コミュニケーションが滞り、 信頼関係が乏しくなれば、第二第三のBSE問題が引き起こされるでしょう。 この時期は、放射線に汚染された食品の問題に直面しています。 このBSE問題を教訓として、まず消費者が自立していくことです。