料理道具専門店 フライパン倶楽部

since 1970 FR CAMPANY
Facebook Instagram ご相談窓口
ホーム 会社案内 ご利用手引き 取扱ブランド カートを見る

料理道具専門店 フライパン倶楽部

MENU
0120-08-8271 10:00〜18:00 水・日・祝日定休 お問い合わせ Facebook Instagram 利用手引 カートを見る
ご相談窓口 info@furaipan.com 10:00-18:30 水・日・祝日定休
ユーザーの声
→投稿する
朝のスタッフ会議
月間ベスト30
フライパン
フライパン
炒め鍋・中華鍋
たまご焼き器
天ぷら鍋
おなべ
包丁・まな板
ボウル・バット
ケトル
キッチン小物
キッチンツール
便利小物
計量道具
バーミックス
卓上用品
箸・カトラリー
ポット・急須
調味料入れ
トレー・クロスマット
グラス・マグカップ
食器
木製品
保存容器・弁当箱
保存容器
弁当箱
布製品
タオル・布巾
エプロン
トートバッグ・ポーチ
リネンアイテム
掃除道具
たわし・スポンジ・ブラシ
布巾・食器拭き
シンクまわり掃除用品
ゴミ箱・ランドリー・インテリア家具
入荷&欠品情報
セール品
おすすめギフト
オリジナル企画
個人情報取扱
特定商取引法表示

美味しさの科学

2011年7月21日

加熱講座11 蒸し物の再考

今でこそ、電子レンジがどの家庭にもありますが、ひと昔前は蒸し器があったのです。 台所に鎮座していた蒸し器は、わが家の味を象徴していました。 蒸し器で作った赤飯や茶碗蒸しの味わいは、日本人として格別です。 この台所の風景の変遷は、今と昔のお料理力の差を物語っているようにも思います。 電子レンジは、自動機能があり、誰でも気軽に使えるとも言えますが、 同じように蒸し器も、誰でも気軽に調理できる初心者向けの道具でもあります。 しかし、道具がないということは、蒸すことに関しても無知になっているのかもしれません。 時間はかかるものの、電子レンジと同じように温め直すこともできます。 そして、料理の仕上がりの違いは歴然としています。 心したいのは、お料理は早さというよりも美味しさが本質です。

どのように加熱しているかが分かれば、その美味しさの違いも見えて参ります。 電子レンジは、加熱にむらがあります。 詳細はこちらの「電子レンジのしくみ」のページでおさらいしてみて下さい。 しかし、蒸し器は、むらなく、しかも穏やかに加熱ができるのです。 結果として美味しくなる蒸すことは、先人たちの知恵が詰まった調理だとさえ思えます。 そして、お料理の起源も蒸し物かもしれません。 先人たちも、どのように加熱するかを考えに考え、試行錯誤を繰り返した結果だったのでしょう。 まだ土器もない時代、掘った穴に食べ物を入れて、たき火で焼いた石を入れ、 これに水を振りかけて蒸気を出し、その蒸気で食べ物を蒸していたようです。 そして、この時代こそ、お料理の原点に帰るべく、加熱を見直し、蒸し物を再考すべきでしょう。


料理鍋にセイロを組み合わせて使います。

例えば、肉まんあんまんなどの中華まんじゅう。 今では、電子レンジで加熱するのが当たり前のようです。 ところが、電子レンジのまんじゅうは、ふっくらとは仕上がりません。 さらには、時間が経つと硬くなってしまう。 その仕上がりが標準になっていれば、この時代のお料理力の乏しさを裏付けています。 そこで、蒸し器を使ってみます。沸き立ったら、まんじゅうを置いて蓋をするだけです。 至ってシンプル。火にかける時間を多少間違えても、大きな失敗には至りません。 そして、出来上がりは、ふっくら。もちろん、食べても美味しい。 これこそが、本来の中華まんじゅうです。電子レンジの味は、別物に思えます。 電子レンジの味しか知らない方は、是非蒸し器で蒸してみて下さい。 また、中華まんじゅうだけではありません。 野菜も、魚も、肉も失敗することなく美味しく仕上がります。 食材が良いもので、新鮮であれば、蒸すだけで食材本来の味を引き出し、それだけで御馳走になります。 調味料もほとんど必要としません。

そして、蒸す時に使う道具について整理します。 最近では、タジン鍋というアフリカ生まれのお鍋もはやりのようです。 あちらは、水の少ないアフリカで生まれた道具ですから、水の豊富にある日本で敢えて使うこともないでしょう。 蓋の形に斬新さはありますが、たっぷりと水を入れて、 よく沸き立たせて、よく対流させる調理が相応しいでしょう。 そこで、一番おすすめできるのが、昔ながらの蒸篭(セイロ)です。 木と竹でできているため、水分を適度に吸収してくれます。 金属製やガラス製のものですと、蓋に付着する水滴が食品に落ちてしまいます。 そのため、蓋の下に布巾を被せて調理することもありますが、蒸篭では不用です。 また、金属製のものに比べて、木と竹の材質は、断熱性があるために、熱が外に逃げません。 放熱されないのです。結果として、蒸篭の中を高温化に保つことができるので、 早く仕上がり、水っぽくなることも防げます。 さらに、蓋から蒸気を適度に逃すので、この点でも水ぽっくならず、蒸気の対流や循環を良くします。

なぜ、蒸すと美味しくなるのか。 そこで、いかに加熱するかを整理してみます。 水蒸気は、冷たい食品に触れると、水に戻ります。 その時に、潜熱(せんねつ)という熱を食品に与えるのです。 すなわち、水蒸気が熱の運び役となります。 この水蒸気のメリットを二つあげます。 一つ目は、温度です。 水蒸気の温度は、1気圧のもとでは、100度となり、それ以上になることはありません。 そのために、こげる心配がない。すなわち、水蒸気が温度管理をしてくれています。 二つ目は、むらがないことです。 水蒸気は、自由自在に動き回り、隙間にも入り込み、 満遍なく食品全体に及びますので、むらなく食品を加熱することができるのです。

ここで、茹でる調理とも比較してみます。 茹でるも、温度は100度までとなり、それ以上になることはない点では同じです。 しかし、蒸すことは、茹でるとは違い、水の中に浸しませんので、 水とともに旨みや栄養が流出してしまうことがないのです。 さらに、水の中ですと、水の動きによって、食品は型崩れしてしまうことがありますが、 蒸すことでは崩れることはなく、綺麗な状態で仕上げれます。 加えて、その加熱もゆっくりと穏やかに行われます。これも美味しさのポイントです。 魚を茹でる、焼く、蒸すの3通りで、中心部の温度変化を比較してますと、 ゆるやかに温度上昇していくのが、蒸すことになります。 同じタンパク質でもある肉も同様ですが、時間をかけてゆっくりと温度をあげて行く方が、ふっくらと仕上がります。 逆に急激に加熱すると、タンパク質は縮んで硬くなってしまうのです。 やはり、慌てず焦らず、時間をかけると美味しくなるのです。

このゆっくり加熱されることの特徴は、サツマイモの甘みでも分かります。 サツマイモには、澱粉を糖に変えるアミラーゼという酵素があります。 これは、40〜60度になると働きます。この温度の時間帯が長いほど甘くなります。 しかし、80度以上になると酵素の働きが止まってしまう。 そのため、急激に加熱する電子レンジでは、アミラーゼが働かないのです。 結果として、電子レンジと比べると、蒸した方が糖分は約2倍になると言われています。 そして、ゆっくりと熱を通すことが美味しくなる、もう一つの例として卵料理があげられます。 卵も、魚や肉と同じタンパク質を主成分としています。 蒸す卵料理と言えば、茶碗蒸しとカスタードプリンです。 これらは、急激に加熱すると、硬まってしまいます。 これらを柔らかく仕上げる方法としては、60度以上になった時の温度上昇がポイントの一つです。 1分間に2度以上温度が上がらないこと、すなわちゆっくり加熱することが求められます。 しかも、85度以上にならないようにします。

もし、温度が高くなってしまうと、硬くなるばかりか、 茶碗蒸しでは、いわゆるスが立ってしまい、穴が空いてなめらかに仕上がりません。 これは、卵液の内部にある水分が蒸発して、外に逃げようとするために、蒸気の通り道が出来てしまうためです。 そのため、卵の蒸し料理では、温度が高くならないように、 火加減を調整したり、蓋を少しずらしたり、余熱を利用したりの工夫が必要です。 また、卵料理に関わらず、蒸し物は、基本的に、沸き立った状態で食品を蒸し器に入れます。 その入れた瞬間に、一時的に蒸し器内の温度は急激に下がります。 そのため、食品を入れたら、しばらく火加減を強くすると良いでしょう。 卵料理は温度管理が難しいですが、それ以外の蒸し料理は、初心者にも対応しています。 基本的に終始強火で、100度の状態を保たせて調理します。 よく沸き立った状態の方が、魚や肉などは、臭いも飛ばしてくれます。 蒸しかたが弱いと、生臭さが残り、表面に水分も付着します。 そして、多少火にかける時間が超過しても、大きな失敗には至りません。 このように蒸し物は、美味しいばかりではなく、初心者の加熱に対する目を開かせ、 しかも失敗も少ないように配慮された優しいお料理なのです。