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2010年10月8日・2012年2月21日改訂

加熱講座18 圧力鍋の実像

圧力鍋は、本当に必要なのか。 最近は、「手早く調理できる」という宣伝文句で圧力鍋が販売されていますが、 しばしば誤解を招いているように思います。 圧力鍋は、どんな調理も美味しくできる万能な鍋ではありません。 電子レンジ同様、手早くできたしても美味しくなると限りません。 そこで、圧力鍋のしくみを整理してみます。 鍋内の気圧を上げて、沸点(沸騰する温度)を高くします。 通常の1気圧のもとでは、沸点は100度ですが、圧力鍋内だと100度以上の温度を実現できます。 この100度以上は、一長一短あります。 良いところは、玄米や豆類などの硬い食材を、短時間に柔らかくします。 これらの食材は、高温化になっても、比較的美味しさが失われにくい。

かたや、100度以上の高温は、食材そのものを、あるいは栄養価や旨みを壊してしまう要素が大いにあります。 玄米や豆類などを除けば、食材が美味しくなる適温は70〜90度であり100度以下なのです。 ですから、比較的適温の低い野菜や魚などは、低圧で調整したり、 圧力をかける時間(加圧時間)を短めにする必要もあります。 火が強ければ、温度が高ければ、美味しく調理できるという認識は間違いです。 それはフライパン調理でも然り。適温があるのです。 安易に強火で200度以上になれば、黒焦げの炭となり果てます。 しかも、急激ではなく、じっくりと熱を入れると美味しくなります。 この適温と熱の入れ方、加えて熱の冷め方は、お料理の命です。 早く熱が入っても、煮崩れたり、栄養価や旨みが損なわれてしまっては、元も子もありません。


縦長の寸胴(ずんどう)鍋は、乳化を促進する上で有効です。

そこで、今回はシチューを考えてみましょう。 シチューは、本来じっくりと時間をかけて温めます。 それは、煮汁にとろみが出て美味しくなるからです。 シチューの煮汁が乳化するとも表現できます。 乳化とは、本来は一緒にならない水と油が一体になることです。 ですから、乳化されていないと、水の上に油が浮きます。 かたや、うまく乳化されると、油は浮かず、味がまろやかになります。 どうしたら、この乳化が促進されるのか。 それが、圧力をかけることではなく、少なくとも3時間は、とろ火でじっくり温めることなのです。 すると、お鍋を選ぶ必要もあります。 鍋内温度を均一に保てる温度むらの少ない厚手のお鍋が相応しいでしょう。 この時、薄手のお鍋だと、温度を保つために強火を必要とします。 しかし、強火にすると熱源に近い部分を焦げ付かせてしまう。 鍋内温度にも偏りが生じる。 そして、鍋の形状もポイントです。 上写真のような縦長の寸胴(ずんどう)鍋が相応しいと言われます。 それは、煮立てた時に鍋底から生じる気泡の状態が影響します。 これが、煮汁の外に出る手前、煮汁の中で消滅すると、その時に高周波を生じて、それが乳化を促進させます。 いかに、この気泡を鍋内で消滅させるか。 その時、お鍋が縦長だと、気泡が昇っていくまでに距離があり、しかも水圧がかかって消滅しやすくなります。 水圧がかかるためには、できれば水量も多い方が良い。 このように、お鍋を選びつつ、時間をかけて温めます。

さらに、シチューに入れる肉は、硬い肉を使います。 これも理があります。 肉の筋に多く含まれるコラーゲンが美味しさに関わるからです。 コラーゲンは、時間をかけて温めることによって、ゼラチン化されて柔らかくなります。 これがお肉の美味しさにつながります。 しかも、乳化を促進させる働きもあるのです。 そこで、硬いお肉には、圧力鍋が重宝だと短絡的に考えます。 ところが、圧力鍋で100度以上の高温になると、このゼラチンが分解してしまうのです。 加えて、圧力をかけて肉に熱が入ったとしても、肉に味が染み込んだとは言えません。 味の染み込みに関しては、また別の問題であり、こちらのページを参照下さい。 これは、圧力をかけることではなく、余熱などを上手に生かしていくこととなります。 加えて、圧力鍋は、蓋をしたまま調理をします。 栄養価を逃さないという言い方もできますが、 本来肉を焼く時も煮る時も、蒸気と共に生じる臭味を逃がすために、蓋をとることは原則です。 また、調理中に蓋をとることができないのは、 火加減などの調整が難しく、かなりの熟練が必要とされるでしょう。

そして、カレーやシチューなどで、いろんな具が混じるものは注意が必要です。 硬いものと柔らかいもの、具の固さは違ってくるからです。 すべてに同じ時間、同じ圧力をかけるのは問題があるでしょう。 なぜなら、硬いものが柔らかくなった時には、 初めから柔らかいものは、もはや熱のかけ過ぎで、形さえなくなる恐れもあります。 そこで、硬いものだけを取り出して、圧力をかける方が合理的です。 柔らかいものは、敢えて圧力をかける必要はありません。 かえって、煮崩れなどしかねません。 そうなれば、基本的には単品には相応しく、いろんな具が混ざるものは不向きでしょう。 結果、下ごしらえには有効だと見えてきます。 硬いものだけを圧力鍋で下ごしらえして、最終的には、別の大きめのお鍋で混ぜて調理しても良いのです。 そのような前提であれば、小さい圧力鍋で十分な場合もあるでしょう。 ピース圧力鍋のように、小さいサイズでさえ重い圧力鍋であれば、やはり軽いものに越したことはありません。


ピース圧力鍋は、玄米と豆類の調理には大変有効です。

適温を主眼にして、圧力鍋を正しく理解すれば、圧力鍋の活躍の場が見えてきます。 当社の販売経験上でも、玄米と豆類の調理に使用されている方は、圧力鍋を使いこなされていることが多いです。 特に玄米は、短時間で美味しく調理できておすすめです。 また、白米の炊飯も、もちもちとした食感になりますが、その食感がお好みの方も続けて使用されています。 (ただ、白米は、デンプンが100度以上の高温化になると、グレー色に変色することがあります。 もちろん、害はありませんが、見た目を気にされる方もいるようです。) このように圧力鍋の用途が明確であれば、圧力鍋を末永くご愛用いただけるでしょう。 かたや、「手早く調理ができる」という宣伝文句には気をつけるべきです。 いつしか、圧力鍋を過大評価して「何でも手早くできる万能な鍋」 という甘い幻想を抱いてしまうのかもしれません。 食材には、それぞれに最も美味しくなる温度があります。それを適温と呼びます。 その適温とは、ほとんどの場合は100度以下です。 また、このような宣伝文句に踊らされてしまうのなら、 お料理の本質が見失われている状況があるのかもしれません。 お料理とは、そんな安易なものではなく、もっと奥深いものと言えるでしょう。 そして、覚悟して真剣に挑めば、お料理は美味しさという明日への力を必ず授けてくれます。

(加熱講座に掲載のため2012年2月21日付けで内容の一部とタイトルを変更しました。 以前のタイトルは「圧力鍋は万能ではない」でした。)

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