新潟県燕三条地域は、前回のカトラリーをはじめ、
お鍋フライパンを含めて、暮らしの道具を製造するメーカーおよび町工場が集積しています。
その同じところで、地場の商品を企画・販売する下村企販さんが、
「家事問屋」というシリーズを展開しています。
そのコンセプトは、暮らしに寄り添い、素材を生かして、技術で答える。
暮らしに寄り添う部分では、暮らしの変化や使い手の声に耳を傾けるために、
営業マンが当社などに訪れて情報を集めています。大変意欲的です。
そして、ホームグランドの燕三条地域に帰って、素材を生かして技術で答える商品を製造する。
価格帯も良心的に設定されている印象です。
このようにメーカー・ユーザーと一体となる取り組みは、
当業界のお手本のようにも感じます。
そのシリーズで、この時期におすすめしたいのが、取っ手付バスケットです。
これは、洗濯物を一時的に収納しておく用途のもの。
もちろん野菜などを入れておいてもよいでしょう。
まず洗濯やキッチンという場面では、衛生的であり衛生的な印象が求められます。
そして、軽すぎず重すぎず扱いやすい。
この表現は微妙ですが、軽すぎるものは作りが華奢となり耐久性に劣ってしまいます。
しかも、湿気や臭い等がこもらず通気性のよいもの。
そこで、ステンレス素材を採用して、燕三条地域の技術によって、格子状にしたバスケットを開発します。
その時、作りの良さが光ります。
底面側面に重さを加えても変形しづらく、適度な太さのステンレスが採用され、
安全性の面でも、角は丸みを持たせて、継ぎ目の切れ端も丸みを持たせています。
このようなステンレス製ランドリーバスケットは、数十年前はよく見かけたなのですが、
樹脂素材に移行してしまったのか、最近は見かけることが少なくなりました。
ですから、しっかりと市場の声に耳をすませた結果のようにも思いました。
この「家事問屋」の紹介文に右の言葉がありました。
「なにげない日常の『家事』、毎日の『家事』、その積み重ねのなかに、
ほんのちょっとしたちいさな喜びや楽しみの素をみつけること。。。家事を愉しむコツ。
挽きたての新鮮な珈琲の香りや、春のあたたかくやわらかな日ざし、お日さまの匂いのする干したての布団。
毎日使う暮しの道具に、そんな心地よさにつながる、ちょっといいがあります。
使うたびにほんのすこし喜びを感じてもらえる、そんな使い心地の良い商品をつくり続けています。 」
心地よい道具を通して、家事を楽しむことができます。
その「ほんの少しの喜び」を道具を通じて感じてもらえたら、
家事に対する考え方も変わり、暮らしや生活がますます楽しくなることでしょう。
持ち手は、巻いたステンレスを採用することでつかみやすくしています。
40代の世代ですと、給食の食器入れを思い出します。子供の手にも優しい印象です。
取っ手はリングに通すシンプルな作りで、着脱も可能です。
野菜などを入れておく上では、取っ手は不要となり、取り外しておくことができます。
足をつけることで通気性をよくしています。
メーカーの配慮で白いカバーが付属されていますが、外れやすいので接着していただくとよいかもしれません。