昨年末に実店舗便りでご紹介した闘病中のラムズイヤーさんが
実店舗タカツまでご来店下さり、確かなお買物をして下さいました。
その後、お便りが届きました。お料理を楽しむ平凡な日々が燦然と輝いています。
「人生のゴールが見えたので、物を増やさないと固く決心していた。
このホームページを知り商品カテゴリーを見ているうちに
タダフサの包丁が欲しくなった。
普段の料理には2本の包丁を使っている。1本はタカツさんで以前求めたグレステン、
もう1本は買った所は思い出せないほど古くそろそろ持ち手がだめになりそうなのだ。
自分へのクリスマスプレゼントにするつもりでタカツさんのお店に行った。
お店では奥様がいつもていねいに対応して下さる。
目的のタダフサを見て、持たせてもらった。いい感じだ。
「少し重いけどこちらはいかが」と杉本も見せて下さった。
これもよい。私の人生で最後の包丁だからと何度も何度も確かめて、重めの杉本にした。
焼きたての食パンがすぱっと切れる。料理をするのが楽しくなった。
辰巳芳子さんのネギのヴルーテを作る。
ねばねばするねぎの青いところが気持ちよくさくさく切れる。
おなますも菊花かぶも美しいできばえだ。
お節料理を重詰めするとき、3本の包丁を出しておいた。
嫁達もいつの間にか杉本を使っている。切り口が美しいから料理がおいしそうだ。
杉本さんと呼んでいるこの包丁が来てから、なにか切りたくて仕方ない。
大根切り干しを何年かぶりに作った。明日はゆずのマーマレードを作る。
アクのある物や柑橘類を刻むとき使っていたグレステンはしばらく休ませ、杉本さん登場だ。」
杉本の包丁は、ステンレスではなく日本鋼という素材のために、切れ味抜群で研ぎもしやすい包丁。
ただ、錆びるというデメリットがあります。
しかし、ラムズイヤーさんのように丁寧に道具を扱われる方には相応しい本格派の道具です。
「私の人生で最後の包丁だからと何度も何度も確かめて」という重いお言葉に、
買物の本質を教えていただいたようでした。